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10月拍手(星降、夏未、立向居、折緒)

■テスト前、夢語らい(星降)
「今回の定期テスト範囲苦手だ…」
「逆に簡単過ぎたらテストの価値ないんじゃないか」
「そうなんだけどね…。下手な事すると進路に響く時期だからさ。
(うぅ…今年のホーリーロード終わっちゃったしな…。
何かでモチベーションを上げないと私無理…)
−−−…そう言えば香宮夜ちゃんは宇宙飛行士目指してるんだよね、それってどんな進路になるの?」
「理学、工学、医学…とか自然科学系の大学に行ってその系統の仕事3年続けて宇宙飛行士の募集に応募して採用される、って感じか」(一息)
「道のり長っ!もはや高校の話してないし」
「簡単な事じゃないから」
「そうだよね、宇宙に行くんだもんね…。
でも香宮夜ちゃんならさらーっと出来そう」
「簡単に言ってくれるなお前は」
「いや本当に思ってるからさ。はぁ〜…凄いねぇ、スケールが大きい…」
「そこまで心底感心されるとこっちもどう反応したものか困るな」
「えっ何で?普通では?」
「…どうだろうな」
「うーん、よく分からないけど。嫌な気持ちではない?」
「ああ」
「じゃあ良いや。
ダイジョーブ、私見立てでは香宮夜ちゃんは地頭+努力で宇宙飛行士になれそうだよ?
今のうちにサイン貰っとこうかな!」
「(馬鹿っぽい事言って名前の見立ては割と当たるんだよな…)
まぁ…、励みの一つにはさせてもらうかな」
「本当?ふふっ、香宮夜ちゃんに激励しちゃったぜ!
でも、目標の高い人の意見も聞いてちょっとやる気上がったかも!
逆にありがとう香宮夜ちゃん!!」
「何もしてないけど」
「良いの良いの!私の心の問題です!
さぁって、そろそろ頑張ろ〜!参考書 参考書〜」
「(…図書室あと5分で閉まる事は教えてやった方が良いだろうか)」


■WEリーグ(夏未)
「…」
「あら…名前?珍しいじゃない、新聞を読んでいるだなんて」
「なっちゃん。うん、小欄がちょっと気になってね」
「小欄?見出しではなく?」
「この9月に日本で初めて女子プロサッカーリーグが出来たんだんだけどね、ちょっと取り上げられてるから見てた」
「ふぅん…今までなかったのね、意外だわ。世界的な大会でも優勝しているのに?」
「そう、大体の選手は他のお勤めしながらサッカーの練習出たりしてる事が多いんだよ。
でもこのリーグはサッカーが『職業』の人が15人以上でチームスタッフも半分以上は女の人にするように言われるんだって」
「ちょっと私にも見せて。
…成程、Women Empowerment。女性を力づけるから頭文字を取ったのね。
女性の社会進出が背景にあるのでしょう、誇らしい事だわ」
「今もリーグ戦してるよー。今度一緒に中継見る?試合の参考に」
「わっ、私はプレーは出来ないわよ?」
「嫌だなぁ、そこは分かってるよ。試合運びとか勉強する?って事」
「…こほん。それなら考えておきましょう」
「はーい、是非宜しくでーす。
はーぁ…、それにしても日本のプロリーグか…もっと活気付いたら良いなぁ」
「勢いがあるからこそのリーグ設立なのではないの?
というよりも名前 貴女他力本願が過ぎるのではなくて?
『活気付いたら良いなぁ』ではなく『私が活気付ける』くらいの気概がなくてどうするのかしら」
「えっはい、…すみません…?(おや?何で怒られた?)」
「男女平等が謳われて久しく、この動きはきっと女性にとって良い風潮…、…−−−」
「(おっと、何か話が難しくなってきたぞ…)」
「−−−…、…故に、もっと真剣に取り組まないといけないわ!
これは理事長の言葉と思ってもらって構いませ…」
「あー、ストップストップ!なっちゃんヒートアップし過ぎ!」
「!」
「政治家の街頭演説聞いてるみたいだったよ」
「…失礼。私も女性の一人として大いに応援をしたく思います」
「そうだね。まぁなっちゃんの言ってたように他力本願ではどうにもならないから私自身が頑張らないといけないのは事実だけどね〜」
「そう言う事よ」
「…よし。じゃあそろそろ休憩終わるから私練習戻るね」
「ええ。精を出しなさい」
「はぁい」



「…おっ名前、何か休憩前と雰囲気違うな!今のシュート良い感じだったぜ!」
「ありがとう円堂君。お尻叩かれたからね、なっちゃんに」
「尻を叩く?へぇー、痛みが良い刺激になったのか?
ていうか夏未もそういうことするんだな!」
「かいつまんでいうのはよしなさい名前!!円堂君は言葉のまま受け取るから!!」


■噂のあの人(立向居)
「立向居君とこうしてゆっくりするの久しぶりだねぇ、嬉しいな!」
「あっ…何かすみません。
俺、エイリア学園とかイナズマジャパンとか、サッカーばっかりで…!」
「いや?サッカーしてる立向居君、格好良いから見てるの好きだよ」
「え、あ、ありがとうございます…!」
「それに今日は普段会わない分沢山遊んでお話しよー」
「はいっ!」
「そういえばねぇ、聞いて!この間友達の○○ちゃんが…−−−」



「でね、そこで○○ちゃんがまた…」
「…」
「…−−−って感じで○○ちゃんさすがだなって思…、立向居君?」
「あっ!は、はい!」
「浮かない顔、どうしたの?疲れが出てる?」
「いえ!体調はバッチリです!…ばっちり、なんですけど、」
「うん」
「…名前さん、その、○○さん?の事話す時凄く楽しそうで。
大好きなんだなぁって…」
「うん、友達だしね。その上面白いし」
「…、そう、ですよね。友達ですもんね…。お話聞いていると面白いですし…」
「うん。−−−…あっ、分かった!ヤキモチ妬いてるって事?」
「っ!…す、すみません!勝手なのは分かってるんですけど…!」
「ううん。寧ろ立向居君が妬いてくれるてるの、ちょっと嬉しいかも。
そう言う感情ない子だと思ってたから」
「名前さん…。俺だって男ですから、それぐらい普通ですっ」
「あはは、ごめんごめん。今回は許して☆
それに普段は私がお話の『円堂さん』に妬いてるばっかりだから偶には、ねっ?」
「へっ…!?俺、そんなに円堂さんの事ばっかりしてますか?」
「してますよ〜」
「すみません!今日は別の事話します!!」
「いや良いよ?お互い様だし、円堂さんの事話してる立向居君は活き活きしてて良いなって思うしね。
人伝に武勇伝聞いてると、実際の円堂さんに会いたくなっちゃうくらいだよ」
「尚更止めておきます…!」
「えっ何で!」
「だって円堂さんに会ったら、その…名前さん、俺より円堂さんが好きになってしまうと思うので!」
「そこまで?!…そうかぁ、じゃあお話聞くくらいに留めて、会いたいとか思うのはよしておこうかな。
私が好きでいたいのは立向居君だしね。
「…!! はいっ!」
「よーし、じゃあデート再開ね。次どこ行きながら何話そっかな〜」

■沁みたのは(折緒)
「はぁ〜〜…家庭科の実習嫌だよぉ…。
こんな寒いのにお湯が出るまで洗い物待てない!」
「待ってたら良いじゃん、設備新しいから湯が出るまでそんな時間かかんねぇだろ?」
「無理だ水が勿体ない、私が許せない」
「へいへい、そうですか…。
まぁそう言うの大事だけどな…、ってか、お前さ名前」
「うん?何?」
「何か、最近ヤな事とかあった?」
「? いや別に…」
「本当に?」
「うん、特に思いつく事がない」
「そうか?…なら良いけど。何かあったら周り頼れよ」
「何 冬輝。具体的に言ってよ、分かんない」
「…耳かせ」
「?」
「(…お前、手首の傷 何だよソレ!リスカ痕とか言わねぇよな?)」
「(リス…っ!? はぁ!!?)」
「(洗いモンで腕まくりしてるから見えたんだよ!
部活の時はずっと長袖だから気付かなかったけど、馬鹿な事すんな!
寒くなってくると病みがちっていうけど駄目だからな!)」
「(待って冬輝 違う違う!これは火傷の痕!!
家で料理してたらうっかり鍋の縁に当たっちゃったの!!)」
「は!!?火傷!?」
「当ったり前でしょ!?」
「…はぁーーーーーーー…。
何だよドジ名前…。気ィ抜けたわ…。
良く考えたらお前、ふさぎ込むより先に相手に手が出るタイプだもんな」
「何か釈然としないんだけど、心配してもらったみたいだからここは穏便に済ませてあげる。
ただし次はないからねホント。胸に刻んどいて」
「おー、それだけ言えりゃ充分か。心配が空振って良かったわ」
「−−−…。そこまでになる前に部の皆に相談してもらうし」
「そうしてくれ」
「冬輝が男友達に相談出来ない事があったら、その時は話を聞いてあげない事もないよ」
「…!」
「…何さ」
「いや、何でもねー。
あー…、洗い物変わるから名前は洗い終わった物拭いてくれよ。
それまだ水とか当たったら痛いだろ?」
「えー…、皿割らないで下さいよォ?折緒くーん」
「割らねーよ!こういう時は大人しく任せんだよ!カワイクねーなぁもう!!」

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