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6月拍手(照美、源田、浦部)

■梅仕事(照美)

「やぁ名前。頑張っているね、梅仕事と言うやつかな」
「練習お疲れ様、照美君。マネージャーの私が梅仕事に精を出している事については触れないのかな」
「さっき松坂監督と話して固まっていただろう、きっとこの指示が出ていたからかなと。
監督指示ならば僕が口を出す余地はないさ」
「そうですか…」
「何を頼まれたんだい」
「梅シロップ作りのお手伝いをね…良い梅をお友達から5kgも頂いたそうですよ…」
「梅が旬の時期だからね。確かに、素人の僕でも綺麗と思うくらいには立派な梅だね」
「キヨ監督が予め洗ってくれた梅なんだけど、ヘタ取りがね…なんかもう永遠にやってるよね。
竹串がヨレヨレになって来ちゃったよ」
「名前は細かい作業が得意だし我慢強いから適任だね」
「褒めても何も出ませんよ…。
褒めなくてもシロップは出来たら皆で飲めるしね」
「それは楽しみだ。梅はクエン酸で疲労回復に効果があるらしいからね」
「練習後にはピッタリかな」
「それで、大変だけど引き受けてくれたのかな。
さすがは世宇子のマネージャー」
「照美君は年々私の扱いが上手くなるね。
さすがはキャプテン、よく部員の事を見てるってものだよ」
「…それだけではないけれど」
「?」
「いや、何でもないさ。それよりも僕も手伝っても良いだろうか」
「嬉しい申し出をありがとう、どうぞ竹串です。
力を入れなくてもヘタ自体はポロッと取れるから」
「あぁ、分かった」
「でもあの話の流れは絶対手伝ってくれないやつだと思ってた。
シロップ作りを通して、激しい練習をこなす後輩達へを労わってるとか?」
「いいや。偶には、サポートしてくれる名前を手伝いたいと思っただけさ」
「…照美君…、」
「さて、大量にあるからね。
集中して終わらせて、暗くなる前に帰り支度にかかろうか」


■見頃の菖蒲(源田)

「源田くーんおはよう!」
「名字か、おはよう。今日は何だか機嫌が良いな」
「そう見える?何だろ、特に自分では分かんないけど…
あっ、でも新聞で菖蒲の花が見頃って記事と写真にはほっこりしたかも?」
「名前、新聞読むんだな」
「失礼な?!私だってもう中3、色んな記事読むから!!」
「冗談だ、目に留まる題材がお前らしいと思っただけだ」
「何か馬鹿にされてる気がしてならない…」
「そんな事ないが」
「むー…そうかな…」
「でも菖蒲って5月じゃないのか?」
「あ、なんかそれも載ってた。
5月の菖蒲はサトイモ科、6月の菖蒲はアヤメ科なんだって」
「そうか。花自体は良く知らないが何かしら楽しめる花があるって事は、好きな奴にとっては嬉しいんだろうな」
「私もそこまで花詳しくないけど綺麗だったよ〜。
ブルー系でね、何か目が休まるって言うか心が落ち着くっていうか…」
「…」
「植物園とか行ったら良い香りするんだろうなーって…、
…何?源田君。じーっと見て…花ではしゃぐとか子供っぽいって思ってる?」
「いいや?」
「ホントかなー!?」
「本当だ。なぁ、気になるなら今日練習の終わりに行かないか?植物園」
「えっ…」
「見頃に行く方が良いだろう?」
「う、うん…、でも良いの?練習後とか疲れてるんじゃない?
それに源田君あんまり興味ないみたいな話だったけど…」
「知らないだけで興味がない訳じゃないぞ。名字と話してたら興味が湧いたって事だ」
「じゃ…、じゃあ…行ってみよっか。折角だし!」
「あぁ、折角だしな」

「(わぁ、嬉しい…デートみたい!
…まぁ源田君は1ミクロンもそんな事思ってないんだろうけどね…!)」

「(うーん…デートと思ってないと思われているんだろうな、これは…)」


■ご当地フラッぺ・大阪(リカ)
「名前ー、待たせてゴメンやで!
ナンパに遭っててん、ウチにはダーリンがおるっちゅうんに」
「ハイハイいつもの事だから気にしてへんよ。人間やからね、寝坊する事もあるやろ」
「いや、ナンパされたんや言うてるやろー!
…ん?何や名前、珍しい。
甘そうな飲みモン飲んどるやん!上にクリームも乗っとるー」
「せやろー、うちジュースとかあんま飲まへんのやけどね。
今日あんまり暑いから、待つのが苦痛でつい買ってもうたん」
「アンタ…さりげなく毒いれてきよんな…。いや、もう慣れてるけど…。
で、結局それ何なん?」
「あそこのコーヒースタンドのご当地フラッペやって。大阪はミックスジュースベースでチョコかかってんのやで」
「はぁー、さすが大手。ウチらがめっちゃ好きな奴やん」
「何かなぁ看板にも色々店員さんの思い入れ書いとって、そんなん見たら買わなアカンやん?」
「名前アンタ割と情に流されるなぁ!まぁ別にアカン事ないけど」
「うーん、自分でも我ながらチョロいなぁと思たけどね。
そんな訳でリカも飲む?美味しかったらまた今度買ったりぃや」
「マジで!?ラッキー!…でもまだ半分以上残ってるやん。良いんかいな。
ウチも喉乾いてるからこんなん全部飲んでまうで」
「ええよ。普段飲まんからもう口の中甘いわ…限界」
「何で買ったんや!」
「さっき言うたやろ?」
「…」
「…」
「…せやったな」
「まぁでも今のツッコミは必要やったで、関西の女として」
「せやろ」
「調子戻んの早いな。まぁ、勿体無いのが一番アカンからね。
無駄にせんように手伝ったってや」
「しゃーないなぁ。…ん〜、ちゃんと果物の味しよるやん!今度ダーリンも誘って飲も!」
「ハイハイ、ご馳走様です」

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