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3月拍手(杏奈、涼野、鬼道)

■お花見の約束(杏奈)

「梅が終わってひな祭りの桃、その次は桜…春までは花が綺麗で良いね〜」
「名前の口から花の名前が並ぶと思わなかったわ」
「失礼だなぁ、これでも情緒を愛する純正日本人だよ?」
「それは失礼…てっきり花より団子の人かと」
「まぁ確かに団子も好きだけども…梅干しより桜餅派なんだよねぇ」
「…」
「やだぁ〜そんな見ないでよ、美人に見つめられると恥ずかしい…」
「見つめている訳では…あぁやっぱりと思っていただけ」
「もー、つれないなぁ杏奈ちゃんは」
「私は通常運転ですが何か?」
「いつもそんなドライだっけ…。
あ、そろそろ部活の時間だ!
じゃあね杏奈ちゃん、杏奈ちゃんも生徒会ガンバ!」
「…ちょっと」
「うん?」
「…他に何か言う事は?」
「何かあったっけ」
「…」
「アッ眉間に皺が!?えーっ何だっけ本当に!
謝るような事は身に覚えがないけども!?」
「…お花見」
「お花見?」
「サッカー部の人達には声をかけていたみたいだけど、私は誘ってくれないの」
「えっよく知ってるね?凄い情報網。
っていうかなんだ、拗ねてたのかぁ〜」
「拗ねてません」
「ごめんごめん、何だか今日素っ気ないから断られちゃうかなって思って話題に出さなかったの。
TPOは弁えないとね!」
「…」
「信じてないなぁ〜、本当だよ。
サッカー部の人とは梅を見に行くんだよ。
杏奈ちゃんとは桜が良いなって」
「何故?」
「桜と杏奈ちゃんの髪色が似合いだから」
「…、…」
「…嫌?」
「…嫌じゃないけれど、嘘だったら承知しないという所ね」
「嘘じゃナイナイ、約束!」
「分かったわ。…一先ずは信じましょう」


■ホワイトデー(涼野)

「名前」
「風介。どうしたの?」
「…これを」
「?なぁにコレ?」
「この前、バレンタインで貰ったからな。
…やる、というよりは返すのか?
とにかく、受け取るだけ受け取ってくれ」
「えぇっお返し?
わざわざ…ありがとう!」
「別に」
「(…あっでもお返しって何か意味があるんだっけ?
飴だかマシュマロだか、クッキーだか…!
うわぁあ何か不安だどうしよう開けて良いのかな!?)」
「…開けないのか?」
「いや、うん開ける!開けるよ!?でも何というか心の準備がさ…!」
「何の話だ…」
「うん、何の話だろうね。
(そうだ、風介の事だし深い意味はない筈。
平常心よ名前)
では、開けますよ〜…、…?お菓子じゃない」
「…本当に食い意地が張ってるな」
「ちっ、違うよ?!
お菓子が良かった意味ではなく肩透かしを食らっただけであってね…!
と言うかこれは…ハンドクリームとリップ?
うわぁ…これ、可愛い…!」
「好みに合ったか?」
「勿論だよ、ありがとう風介!
プレゼントのセンス抜群だね、知らなかった!」
「それも失礼な話だが…まぁ、気に入ったなら良い」
「うん、嬉しい!
でも何でこのチョイス?」
「『乾燥で手がガサガサ』とボヤいたり唇も切れて血を垂れ流してたのは何処のどいつだ…」
「私ですね…」
「それでも使って少しは自己管理しろ」
「気遣わせてすみません…」
「気遣いじゃない、心配してるんだ私は」
「風介…。
うん、心配してくれてありがとうね」
「…分かればいい」


■花粉症(鬼道)

「っぐしゅ、…はぁあ…花粉症辛ァ〜」
「名前、大丈夫か」
「ぎどーぐん…、ぐしゅっ!
…いや、大丈夫じゃない…。
ティッシュの消費量半端ないよぉ…今月これで破産する…」
「去年そんなに酷かった記憶がないが…」
「私も何か分かんないけど、花粉以外にも何か飛んでるのかなぁ…うぅ、涙と鼻水で視界も揺らぐし息が苦しい…」
「そんな事では部活はおろか生活もままならないな…耳鼻科で何とか出来ないか意見をもらったらどうだ」
「う”ん…。ぐしゅっ、…そうする…」
「…取り敢えず、目はコレでも着けてみるか?」
「…?ゴーグル?」
「俺の予備だが、まぁ無いよりマシだろう」
「えぇ、いや悪いよ。
予備なかったら鬼道君、何かあった時困っちゃうよ?」
「可能性の話だな。
一理あるが、今ここで大丈夫じゃない奴が使う方が良いだろう」
「本当に良いの?」
「あぁ。何もせず見てる方が肩身が狭い」
「…じゃあお言葉に甘えて…。すぐに返すからね!」
「貸しにしておくさ、焦らず何とかなってから返してくれ」

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