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「#エロ」のBL小説を読む
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5月拍手(西蔭、吹雪兄弟、ベータ、土門)

■散らし寿司(西蔭)

「うぅ…酢臭い…、扇いでも酢臭い。団扇に臭いつきそう…」
「…朝から何をしてるんだ」
「あ、西蔭君おはよ。何って言うか、お昼ご飯の用意かな」
「昼食?」
「そうそう、皆で散らし寿司食べよーと思って!今日こどもの日だから」
「あぁ…そう言う事か」
「忘れてた?」
「…もうこどもの日だからって騒ぐ歳でもない」
「えー14歳は はしゃいで良いでしょ!私は連休やったーって喜びたい」
「ガキ…」
「王帝の人は精神年齢高いから私くらいは低くても大丈夫!」
「大丈夫じゃない。お前も王帝の一員なら野坂さんの顔に泥を塗るような事はするなよ…!?」
「はいはーい、本当野坂さん1番だなぁ妬いちゃうよー」
「…。馬鹿な事言ってないで、その団扇を寄越せ」
「え?酢飯作り変わってくれるの?」
「喉が弱くて咽せるからアルコールは嫌いだ酢は駄目だと喚いてたろうが…」
「西蔭君優しいー!紳士だ!」
「良いから早く貸せ」
「わーいありがとう!お礼に1番に味見する権利をあげよう!もう少しでかんぴょうと椎茸煮上がるから待っててね☆」
「いらん…」
「ふーん…?じゃあ先に作った錦糸卵は?エビは?イカは?」
「…お前…。俺は別に見返りが欲しくてやってる訳じゃない」
「聖人じゃん」
「…」
「嘘うそ、だんまり決め込まないでよ〜!またヘルシー高タンパクな夜食作ってあげるからそれでお返しね」
「ーーー…はぁ…、もう良い。お前の好きにしろ…」
「(それは嫌じゃないんだなぁ)」
「(本当に鈍いなコイツ…)」


■鯉のぼりの箸袋(吹雪兄弟)

「ふんふんふふーん〜♪」
「上機嫌だね、名前ちゃん」
「何やってんだ?」
「あっ士郎君にアツヤくーん!丁度良かった、見てー鯉のぼりの箸入れ作ったの!こどもの日の午前練の後で使おうと思って!」
「わぁ、可愛いね!皆の分あるんだ」
「お前…暇持て余してんじゃねぇよ。仕事しろマネージャー」
「いやぁ、折角 部活の皆でお昼食べるんだし何かお揃いのアイテム欲しいなーって」
「別に悪くはねぇけどよ…」
「でしょ!裏に名前も書いたけど、この水色のが士郎君で朱色がアツヤ君。自分で言うのもなんだけどそっくり!」
「あー?…色味だけだろ?」
「そんな事ないよ?よく見て!」
「どれどれ…あ、鯉のぼりの目に下まつ毛描いてる」
「えへっ☆2人のチャームポイント!」
「おいケンカ売ってんのか…?」
「何でー!?可愛いのに!」
「うるせー!男は可愛いって言われても嬉しくないんだよッ」
「僕は名前ちゃんがよく僕らの事見ててくれてるって分かって嬉しいけどなぁ」
「本当?良かったー、実は北見君のとかはマフラー書いたり、こんこちゃんは困り眉にしたり色々工夫してみた!」
「…」
「アーツヤ?名前ちゃんに可愛い箸袋作ってもらえて良かったね?」
「あー、ハイハイ!そうだなァ!使うのが勿体ねぇなぁ!」
「え?心配しなくても作り方教えてあげるよ?」
「いっ、いらねーよ!!馬鹿っ(くっそ、名前のやつ善意100%でタチ悪ィな…!)」


■柏餅作り(ベータ)

「ベータの簡単3分クッキング!今日のアシスタントは名前ですわ」
「何で番組風なのか理解に苦しみますが、よろしくお願いします」
「さて、折角お菓子作りの得意な名前がいるので今回はマイロードにお渡しする柏餅を作りましょう」
「こどもの日に因んでの事ですね。ところでその杵と臼は一体…?」
「あら…まず餅をつくのでは?」
「3分で終わりませんが!?!?」
「力には自信がありましてよ?」
「ベータ様…柏餅は上新粉という米粉から作ります。大体、もち米の用意してないですよね?浸漬して蒸らさなきゃいけないので力技で頑張っても今から3分は無理です」
「分かりました。では貴女が進めて下さいな」
「はぁ…。材料は上新粉、こしあんか粒あん、あれば柏の葉です。手前に私が用意したものですね」
「ふむふむ」
「まず上新粉をお湯か水でまとめます。纏められたら適当な大きさにちぎって蒸し器で15分程度蒸します」
「成程、蒸して粗熱をとったのがこれですわね」
「正確にはそれをまとめて滑らかになるまで練ったものです。これにあんを包み、柏の葉で包んで完成です」
「名前が予め作った完成品はこちらですわ」
「番組進行してたんですね…」
「勿論、こういうものは気分と聞き及んでいます。さぁサクサク作って献上しましょう」
「子孫繁栄の縁起ものですから気持ち込めて下さいね…。コレ一応、適度な大きさの見本です」
「あら、気が利きますのね!…こっちのものは?」
「そちらは作業後にベータ様が召し上がるかと思って作った分です」
「まぁ…!貴女が作ったなら味に間違いなさそう。楽しみね」
「では、私はお茶を淹れて参りますので、それまでどうぞ励んで下さいませ」


■キスの日・恋文の日(土門)

「…」
「おっ名前ちゃんじゃーん、やっほー」
「あ、土門君だ。こんにちは〜珍しい所で会うね」
「文具専門店とかオレ行かないからね〜、スーパーの事務用品コーナーで済ましちゃうわ」
「私も大体そうだけどね、今日は気まぐれ。可愛いレターセットが並んでるなーって」
「何々、『ラブレターの日に手紙を贈ろう』?」
「昔の『ラブ・レター』っていう映画の公開日と5月23日の語呂合わせで『恋文』になるからだって。今まで気付かなかったぁ」
「そういやそーね、『キスの日』が同じ日だから押し負けてんンのかね」
「キスの日も知らなかった、そんなのあるの?」
「マジですか名前ちゃん」
「えーっ普通に生活してて知る機会あるかな!?土門君が帰国子女だからじゃないの?」
「アメリカはキスの日 別の日だし、帰国子女は関係ありませーん」
「むむ…じゃあアンテナ張ってるかどうかか…私どうやって生きてきたっけ…」
「いやまぁ、そこまで神妙になる事もないんじゃないの?」
「それもそうだね。うーん…、でも私は頑張ってもラブレター渡すまでかな…キスはちょっと恥ずかしいや…」
「え〜、そんな事言わずに好きな奴いるならチャレンジしてみたらどうよ?『キスの日だからして良い?』ってさ〜」
「え〜…、そんな事したら変態だよぉ…」
「あらホント?アメリカの滞在先は割とそんなノリだったんだけど…じゃあ投げキッスくらいだったらどう?」
「投げキッス?」
「そうそう、こうチュッて感じのヤツね」
「いやさすがにどんなモノかは知ってますけども!?でもやった事はないなぁ…」
「オレで練習してくれてもいーのよ?」
「えっ…土門君に?」
「うん、オレオレ」
「…」
「…」
「…、お手紙じゃ駄目かなぁ」
「えっ!ラブレターをくれるって事!?」
「うん。同じように恥ずかしいんだったら、誤魔化さないでちゃんと気持ち込められる方かなって…。でもラブレターなんか書いた事ないし変になったらゴメンね?」
「いやぁそれは別に良いんだけど、宣言されてからラブレター貰うなんてオレ初体験かも」
「いやもう、あの流れは仕方ないでしょ…」
「ははっ、まぁ名前ちゃんらしいっちゃらしいよね〜!そんじゃあ当日まで楽しみにしときますかね!」


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