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2月拍手(浦部、鬼道、瞳子監督31)

■柊鰯(浦部)

「リカ、関西ってさぁ…何で節分に鰯飾るの?」
「なんやぁ、名前そんなんも知らんの?魔除けやま・よ・け!」
「魔除けになるかな…?」
「鬼さんはなぁ、匂うモンと尖ったモンが嫌いなんや。木に鰯の頭刺したん見たことあるやろ?」
「あぁ、玄関に飾ってる画像見た事あるかも…」
「あれで鬼の目ェ刺すねんて」
「こっわ!?物騒な、何でそんな戦闘民族なの…?そりゃ鬼も嫌がるよ」
「失礼やな、ウチがやり始めたんちゃうし!昔から皆やりよるやん!!」
「いやいや、私の周りそんな事してる人居なかったって!」
「嘘やろ、じゃあ何か代わりにやっとったん?」
「恵方巻き食べて豆撒いて…あ、毎年けんちん汁飲んでるかも」
「名前アンタ関東やからちゃうん?ウチらその日の為に決まった汁作らんで」
「そうか…地域差なのかな」
「せや、どこでどんなモン飾っても作っても、要は悪い事起こらんかったらええねん」
「まぁ確かに」
「そういう訳でぇ、ウチのたこ焼きを節分仕様にする方法考えたってぇな!暇やろ?」
「暇じゃないし、恵方巻きも大豆もあるんだからフード枠満タンでたこ焼きの出る幕ないでしょ…」
「えぇから何か2、3個ええ案出しぃな!たこ焼きご馳走してあげたやろ!」
「えー…もう、仕方ないなぁ…」



■ハッピーバレンタイン?(鬼道)

「バレンタインと言えばチョコレート、チョコレートと言えば鬼道君だよね!
そういう訳でどうぞ!私が作ったのと、口に合わなかった時の為にお店で買ったのもあるよ!」
「何の話だ…。と言うか、悪いが脂肪分の多い間食は控えているんだ」
「えっ」
「カロリーオーバーになると体が重くなるからな」
「う…。それはそうなんだけど…」
「動きづらくなるとサッカーに支障が出るだろう」
「うぅ、それは…その原因を私が作るのは嫌だけど…。うーん…、じゃあどっちか片方なら受け取ってくれる?」
「…まぁ…、わざわざ用意してくれた物を無駄にするのも良くはないからな」
「おぉ…駄目元でも言ってみるものだわ…!じゃあどうぞ!」
「お前の作った方を貰おうか」
「え?私が作った方で良いの?」
「折角作った方を食べなくてどうするんだ?」
「おぉ…!?」
「お前…さっきから何なんだ…」
「いや…驚きのあまり…。だって舌の肥えてる鬼道君は絶対安全なお店の方選ぶって思ってたから…ぐすっ」
「っオイ、どうして泣く…失礼な事を言われているのは俺の方だが?」
「ご、ごめんね…嬉し泣きだから許して」
「難しい奴だな全く…」
「っともかく、一生懸命作ったから貰ってくれて嬉しいの!」
「そこまで言うならさぞ食べ甲斐があるんだろうな」
「…、…、…それを言われると微妙だけども味見はしました」
「ふ、分かった。楽しみに頂くとしようか」

■厄祓い(瞳子監督・数え年32歳)

「…こんな所に神社あるって知らなかったなぁ」
「まぁ、貴女達が初詣に行く所と違うものね」
「うん、お日さま園で行くいつもの所よりはちょいスケールが小さい感じだよね。大所帯で押し寄せると困りそー」
「後は神様の違いかしら。ここは厄祓いが得意だそうよ」
「はー、成る程。神様にも色々あるんだねぇ
…っていうか、瞳子姉さんが厄年とか信じてたの意外だった」
「そうかしら。一般的なものよ、前厄・本厄・後厄」
「ふぅん…。(姉さん、あんまり年重ねた感じかないから実感沸かないんだよねぇ)でも1月に大規模な厄祓いやってなかったっけ?3日くらいかけてたやつ」
「あったわね」
「何でその時行かなかったの?もしや今日2回目?」
「まさか。あんな集団の中に行ったら厄は払えても余計な物をもらってきそうでしょう」
「あー…風邪菌とかね…」
「名前くらいの年代の子達だけならまだしも、実際の所は小さい子も多いから。後の事を考えだけよ」
「…、…何か、瞳子姉さんみたいな人には厄祓い要らなさそう。全部自分で何とかするし、周りの事も何とかしそう」
「確かに自分の事だけなら自分で何とかするわ。ただ…」
「ただ…?」
「降り掛かった私の厄に貴女達が巻き込まれたりしたら嫌…というだけよ」
「姉さん…」
「だから、あの時やっていればっていう後悔をしない為に来た程度なの。…そんな信心深くない私にご利益があるかは分からないけど。…じゃあ準備出来たようだから行ってくるわ」
「はぁい、行ってらっしゃい」



「(…はぁ、名前も年齢も住所も読み上げられるんだ〜、凄い身バレ…。今日姉さん1人だからかなー?複数人いたら駄目だよね、このご時世…)」

「(あ、何か祭壇に植物置いた!よく見たら苺も供えてる…神様って苺食べるの?まぁ動物性品駄目って言うしね…)」

「(宮司さんが姉さんの頭の上で鈴鳴らしてる…。大体あの辺りにある道具全部使ったぽいし、そろそろ終わりかなぁ…割と短かったな。あんな感じで本当に姉さんの厄祓い出来てんのかな…?)
…私からも神様にお願いしとこうかなぁ…5円あったっけ」



「…名前、お待たせ。今日は付き合ってくれてありがとう、退屈させたかしら」
「ううん、外からだけど初めて見て面白かった。後、私もお参りしてたからあんまり待ってる感なかったし」
「あら、珍しいわね。何かお願いしたの?」
「…秘密!」

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