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8月拍手(アレス・イナズマジャパン)

■イナズマジャパンの夏休み(趙金雲監督中心)


「皆さんに集まって頂いたのは他でもありまセン…重要な発表があります」

「重要な発表?」

「ゲームのデータ飛んだとか、ですか?」

「名前サン!
 さしものワタシもそんな事で皆さんを集めたりはしませんヨ!?」

「ははは、嘘ばっかり付いてると死んだ後 閻魔様が怖いですよ」

「まぁまぁ、名前さん。取り敢えず聞いてみましょう!」

「(坂野上君、最近順応してきたなぁ…)」

「重要な発表というのは…何と!!
 明日からしばらく練習用グラウンドが使えまセーーーン!!」



「「!!!!?」」



「え??どういう事ですか?」

「析谷さん、本当なんですか?ドッキリとかじゃなく?」

「本当だよ。実は今日の練習後にグラウンドが穴だらけになってしまって…」

「尚、犯人は
 『もう少しで上手くいきそうだったのに―!』
 『何でこんなヤワなんだよこの芝生はよォ』
 『でも、感じが掴めてきた気がする。次の試合までにラスト・リゾート完成へ向けてもう一段階進んでおきたいね』
 などと供述しており…」


「(成程、ラストリゾート継承組だったのね…このミーティングに居ないのはそういう訳か…。)
 でも練習していてそうなったのは仕方ないんじゃ…?必死にやってただけだし。
 それで監督、明日以降どうするんですか?」

「業者サンは呼んでいますガ、先約が立て込んでいるそうで いつ着工出来るかは明言されませんでしタ」

「まさかこれもオリオンの陰謀…!?」

「いや、完全にこっちの自業自得だと思う」

「FFIでどこもかしこも芝生整備しなきゃいけないしな」

「とーもーかーく!!明日からグラウンド整備が出来るまではグラウンドでの練習はストップ!
 各自、自由行動としマス☆
 他の設備は生きてますのデ、筋トレするも良し、プールで全身運動するも良し、
 夏休みの宿題をするも良し、ゲームの夏イベントを攻略するも良し…好く励み、好く遊んでサーイ!!」

「要するに監督業 投げたんですね」

「名前ちゃんの突っ込みはいつもキレてますね…」

「誰が相手でも容赦はないな。まぁ大多数の代弁者とでも言うべきか…」

「フッ、そうは言いますが指示された事ばかりではなく、頭を使うのも大事ですヨ☆
 それでは皆サン、これにてミーティングは終了・解散でス!
 しばしの夏休みを楽しんで下さいネー☆」





■犯人曰く(稲森、野坂、灰崎)

「っはぁ…外周つっかれたぁ…」

「お帰り、3人共。結構遅いから心配しちゃった。罰走か何かだったの?」

「人聞きの悪い事言うんじゃねーよ!…練習だ練習!」

「灰崎君。名前さんは多分知ってるから変に格好つけなくても大丈夫だよ」

「格好つけてねぇっ」

「ハイハイ、練習お疲れ様。これタオルとドリンクね」

「わぁ、名前さんさすが!ありがとう!」

「ありがとう、助かるよ」

「…フン」

「もう、灰崎もちゃんとお礼言いなよ…」

「あぁ、いいよ稲森君。星章でも大体いつもこんな感じだから気にしてないし」

「灰崎…。あの、…頑張れよ!!」

「うるっせぇよ!何哀れんでんだ稲森ィ!!」

「渾身のツンデレも見慣れられると効果はいまひとつ…という感じかな」

「野坂てめぇ…っ!」

「あー、ごめんごめん灰崎君。私の言い方が悪かったって…。
 謝るから早くシャワー浴びてきた方が良いよ。晩御飯無くなっちゃうからね」

「えっそれは困る!俺もうお腹ペコペコー!」

「ごめんね名前さん。じゃあ僕らは行くから」

「うん、行ってらっしゃい。…あ、灰崎君」

「あ?なんだよ」

「肘の上、赤くなってる。怪我?」

「あぁン?こんなもんちょっと擦っただけだろ、痛みなんてねぇよ」

「傷は出来てすぐは痛くないモノなの。
 …処置するから食事の前に私に声かけて。痛み出たら競り合いにならないからね」

「…覚えてたらな」

「(…素直じゃないなぁ灰崎)」

「(良いんじゃない、彼なりの距離の取り方という事だと思う。
  僕らは同学年だけれど、灰崎君は生意気な後輩というポジションがあるからね)」

「(成程)」

「おいテメエら…!心の声が出てんだよ!顔に!!」

「もー、良いから早く行きなさいって…」




■遅めの朝食(円堂、風丸)

「…! 名前じゃないか、おはよう。一応夏休みなのに凄い早起きだな」

「風丸さん、おはようございます。円堂さんも!」

「おう!おはよ!」

「地図持ってどっか行くのか?」

「あ、はい…。やっぱりこの時期にグラウンドが何日も使えないのは痛いので…
 アメリカ代表かスペイン代表の人達に貸してもらえたりしないかなって」

「成程な…一ノ瀬やクラリオ達ならオリオンの息もかかっていないし話が分かるかも知れない」

「はい。…でも、1次リーグを抜けた私達と違っていつ退去するのか分からないので、もしかしたらもう…」

「なんだよ名前、折角良いアイデア思いついたんだから行ってみようぜ!
 俺達も付いて行くしさ」

「えっ、良いんですか?お二人とも用事は…?」

「俺たちの事はいいさ、どうしたものか悩んでいた所だったからな。
 それに稲森みたいになる事もある…一人歩きは止めた方が良い」

「わぁ…ありがとうございます!」

「よし、じゃあ行くか!」







「−−−…両方とも、もう退去した後でしたね…」

「警備員のおっちゃんにも門前払い食らっちまったなぁ」

「まぁ、ある程度予想していた事ではあるが…。
 一ノ瀬も『力になれなくてゴメン!』だと」

「うーん、まぁこれはこれで仕方ないか。休む時は休んで、代わりに出来る事を考えようぜ!」

「そうですね。…円堂さんも風丸さんも、わざわざ付いて来てくれたのにすみません」

「なんだ、水臭い事を言うんだな。仲間なんだから当然だろう?」

「そうそう、気にすんなよ!良い息抜きになったって事で!
 …なぁ、息抜きついでに腹減って来たから何か食べてから帰ろうぜ!」

「円堂…」


「あはは、そうですね!朝ごはん抜いてきちゃったし…
 皆でご飯食べて帰りましょう!」


■心ほぐれるストレッチ(水神矢、坂野上、析谷)

「あっ、名前!丁度良い所に!」

「? 析谷さんに坂野上君…水神矢君も?」

「こんにちは名前さん!」

「今から少し時間はあるだろうか?」

「??」





「じゃあ今からフィジカルトレーナー兼
 データ分析担当兼
 料理長兼データセキュリティ担当兼
 気功マッサージ師… 析谷共有の心も体もほぐれるストレッチ講座始めるよ!」

「成程、偶数じゃないとやりづらいですね」

「付き合ってもらってありがとう名前」

「ううん、大丈夫。でも何で急にストレッチ講座?」

「俺が析谷さんに緊張して体が強張っていると言われてな」

「水神矢君、緊張してるの?あんまり分からないかも」

「俺も自分では分からなかった。だが、本来交流が持てる筈の練習が出来ないからな。 
 なかなかサッカー以外から輪の中に溶け込みにくいのは確かだった。
 星章で一緒の名前や灰崎がいれば多少は気が楽だけどな」

「そっか、名前さんと水神矢さんって学校同じでしたね」

「じゃあまず初めて同士、僕と名前がお手本で昇と成龍が組んでストレッチしようか。
 後から僕と昇、成龍と名前の慣れた者ペアでより リラックスして行こう」

「「…!」」

「…? どうした名前、坂野上…?」

「水神矢君が下の名前で呼ばれるの初めて聞いたから…新鮮だなって」

「『成龍』ってカッコ良いですね!!俺もそう呼ぼっかな?」

「良いね昇、ファーストネームで呼ぶのは打ち解けやすさ倍増だよ☆」

「分かりましたっ、成龍さん!宜しくお願いします!!」

「何だか、改めて呼ばれるとくすぐったいな…」

「まぁ坂野上君は人当たり良いから普通にしてても平気だけど…
 これも打ち解ける為だよ、頑張ろう成龍君」

「っ!?」

「あっごめんなさい。嫌だった?」

「い、嫌ではないがその…驚いてしまって」

「良いよ名前、驚いて体が強張った後も筋肉が弛緩しやすいからね☆」

「析谷さん割と何でもオッケーですね!?」

「本当に大丈夫かな…!?適当な事言ってそうで怖いんだけど…!」





■プールにて(永世3人組)

「…お前、こんなトコでデッキブラシ持って何やってんの」

「…吉良君?と、永世の2人も」

「こんにちは、名前さん。見慣れない格好だから誰かと思ったよ」

「あまり夏休みに乗り気じゃなさそうに見えたが、その水着!
 意外と楽しんでいるようだな!」

「恰好だけはね。でもやってるのプール掃除だからあんまり遊んでる感じはないかな」

「掃除だぁ?…業者はどうしたよ」

「何か、急用が出来て今日は来られなくなったんだって。
 でも私達、グラウンド使えないから代わりにプール使う事もあるでしょ?
 だから掃除だけはやっておこうって思って…」

「名前さん…俺たちの為に…」

「しかしそれなら何故水着に?ジャージでも良いだろう」

「パンピエッタさんが『水に濡れると乾かすの時間掛かるデショー、
 名前さん予備の服沢山あるの?』って聞かれて。
 そう言えばそんなにないって言ったら格安で売ってくれた…」

「俺達は要るから買ったけどよ、お前たかられたんじゃねーの…あのガイドと業者ぜってーグルだろ…」

「いや、まぁ…例えそうでも割と快適に掃除出来てるからもう良いかって。
 それより3人共、トレーニングしに来たんでしょ?
 50mの方はもう少しかかるけど、飛び込み台のある深いプールはもう綺麗にしたから使って大丈夫だよ!」

「さすがに掃除してくれている人を横目に使えないよ。
 俺達も手伝うから、皆でやって早く終わらせよう。
 …というか、最初から言ってくれたら良かったのに」

「え?でも…良いの?」

「しっかり磨けば、まぁ腕力の維持程度にはなるだろう。
 さっさと終わらせて全身運動しないとな」

「マジ面倒くせ―けど後で『手伝わなかった』って言われるのも癪だからな」

「わぁ…吉良君まで。ありがとう!」

「それで、どこまでやっていて何をすれば良い?」

「ここから先をブラシでこすって汚れを流したらOK!」

「へーへー、…ってもう殆ど終わってんじゃねーか!!」

「いやぁ、結構頑張ったし。水張る方が時間掛かるかもね」

「普段からきちっとしてるけどさすが名前さん…仕事が早い…」

「星章が急成長したのは雑務の心配なしにサッカーに打ち込めたからかも知れんな」




■プールにて2(女性陣、氷浦、万作)

「杏奈ちゃーん!アタック行きますよーー!!」

「ちょっ…大谷さん、構えが本気!こういう所は普通ラリーを続けるだけ…!」

「大谷さん、万作狙えば!?」

「オイ、のりか…!」



「結局、皆パンピエッタさんに水着買わされてそうだな」

「言えてる…つくしちゃんなんてビーチボールもセットだし」

「だから競泳用の所でバレーしてるのか…」

「氷浦君は遊ばないの?」

「もう少し柔軟体操してからにしようかと思って。そういう名前は?」

「清掃で割と体力尽きちゃって…もうちょっと休憩してからかな。
 明日から業者さん来るみたいだし良かった…」

「そうか、そう言えば永世の3人がさっきまで泳いでたんだったな」

「うん。でもトレーニング以外でも結構使えるんだね、ここのプール」

「区切りをなくせば市民プールと変わらないな」

「本当。女の子達に混ざったらきっと楽しくて、
 後の事忘れて思いっきり遊んじゃうんだろうな〜」

「賑やかだとあてられるよな、雰囲気に。ほら…万作も圧倒されてる」

「あは、本当だ!女編3つで『姦しい』って言うもんね〜、
 万作君が戸惑うのも無理ないかも」

「成る程。じゃあ名前が入ったら女子が4になる訳だけど…
 そうしたらどうなるんだろうな?」

「えっ…、…どうなるんだろうね?」

「試そう」

「えっ…!?氷浦君!?イタタ、手が捻れてるって…!」

「休憩も柔軟も適度が良いだろ。おーーい、のりかー!俺達も入れてくれ!」

「あー、やっと来た!皆で水上バレー対決しようよ!男女対決!」

「それはもう水球なんじゃ…って言うか人数が違うだろ」

「万作は細かいなぁ、ハンデハンデ!ねっ貴利名!」

「うーん、それはそうなんだがさすがに4人相手はキツイな」

「じゃあ、私は審判をやります。来たばかりなので名前さんはどうぞ試合に」

「杏奈ちゃん!?審判っていうかネットもないけど何をどうやって試合するの!?」

「2対3なら良い感じになりそうですね!
 名前ちゃん、のりかちゃん!頑張りましょー!」

「モチロン!!」

「聞いてないし…」

「諦めよう名前、貴利名やのりかに引っ張られた時点で俺達の正論は通らない…」

「万作君…達観し過ぎでは」

「付き合い長いからな。…まぁ、怪我だけしないようにして楽しもう」

「うーん…、それもそっか。折角の夏休み?だしね」

「よーし!男女対決始めるよー!」

「「「おーっ」」」



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