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7月拍手(杉森、霧野、綱海、鬼道)

■短冊に願い事(杉森)

「…ふぅ、これでよし、と」
「七夕飾りか。もうそんな時期なんだな」
「もうそんな時期よ、杉森君。遅れるよりは早い方が願いが届きそうでしょう?」
「そうだな。確か、当日 晴れの確率は…」
「ふふ、別に天気が晴れとか雨とか、叶うとか叶わないとかは…
 どうでも良い時もあるのよ。見てこの短冊」
「おい、名字人の願い事を勝手に覗き見するものじゃ…」
「この辺り、サッカー部の人たちの分をかためたの。
 …『キャプテンが早く進路決まりますように』
 『杉森さんがまたサッカー楽しめますように』…、慕われているのね」
「…、あいつらにはあまり良い思いをさせてやれなかったが…
 こんな風に言われては、な」
「可愛い後輩ね。私は帰宅部だから、ちょっと羨ましいわ。
 だからお節介してしまったのだけど…迷惑だったかしら」
「いや…、地区予選で負けて以来、音沙汰無かったからな。
 たまには部に顔を出しに行く事にする。ありがとう」
「どういたしまして」
「…そう言えば、名字は何か書いたのか?」
「書いたわ。でも秘密。一番上に吊るしちゃった。
 片付けも私がするから実質誰にも知られない」
「人の物は見て自分の物は見せないとは…、性格が出るな」
「お褒めに与かり光栄だわ。私の場合は叶って欲しいから、空に近い所に飾ったの」



ー−−『好きな人と、予測不能の楽しい恋が出来ますように  名字』




■夏の予定(蘭丸)

「ふぁああ…!寒かった…!!
 何でまだ梅雨も明けてない時からプールの授業なんてあるんだ〜!!」
「大丈夫か名前。唇が真っ青だ」
「そういう蘭ちゃんも大丈夫…?
 サッカー部は練習ハードだし、あったかいシャワーしっかり浴びてね風邪引かないようにね」
「そういうお前もな」
「私は大丈夫!夏休みも来るのに風邪なんて引いてられないよ〜!」
「もう遊ぶ気満々だな。まだ3〜4週先の話だろ?」
「それでも計画は立てておかなきゃ!
 今年は絶対プールか海行くの!こんな水着じゃなくてもっと可愛い恰好で!
 後、お祭りも行って花火も見たいしかき氷も食べて〜」
「全く…欲張りめ」
「蘭ちゃんもたっくんも行くでしょ?
 部活休みの日行ってくれたら私が予定組むよ!」
「はいはい、よろしく頼んだぞ。神童には俺が上手く言っておくよ。
 ただ名前と遊びに行くってだけじゃ、課題の事とか余計な心配させそうだからな」




■海の日(綱海)
「そう言えば来週海の日だね
「じゃあ今週は海の週だな!」
「綱海は年中じゃん…波に乗る気満々だし」
「まぁな!良い波来てるからよ〜、名前もたまにはサーフィンするか?」
「んー…気が向いたらね。ところでサッカーは?もう飽きたの?」
「飽きるわけねーだろ?勿論練習するぜ。
 午前はサーフィン、午後はサッカー!カンペキだなっ」
「体力お化けがいる…」
「羨ましいだろ!」
「さほど…」
「何だよソレ。っつーか、サッカーするメンバーが大海原中のメンツだけだとつまんねーんだよなぁ…
 おし、せっかく海の日で3連休あるし皆で東京行っちまうか!!」
「ええ?唐突!用意とかお金とかどうすんの!」
「名前は心配性だな。こういう時こそ『なんくるないさ』だろ!
 じゃあ俺はいっちょ波乗ってくるからよ!」
「いや、何ともならないでしょ!!
 アンタは良くてもソレ私が苦労するいつものパターンだから!
 綱海ー!待てーーー!!」




■土用の丑(鬼道)

「もうすぐ土用の丑の日かぁ…スーパーも鰻だらけだね…」
「もう蒲焼きになっているものばかりだな」
「まぁ大体そうだよね。お店屋さんならともかく家で作るの大変だし」
「そうか…袴田が新鮮なものを捌いた料理が主だから、
 あまり店先の状況は知らなかったな」
「えぇ〜、良いなぁ美味しそうー!どんな料理で食べるの?」
「蒲焼かうな重の時が多かったな。名前の所はどうしているんだ?」
「私の家?うーん、そうだなぁ、1人1匹は家計的にちょっとキツイからねぇ…
 鰻ざくとかでちょっと食べる」
「鰻ざく…鰻と胡瓜の酢の物だったか。涼しげで良いな」
「後は…胡瓜もそうだけど「う」のつく物が良いらしいから牛…
 うどん…とか、梅和えとか。他のメインとかおかずにしてた、かな」
「美味そうだな。夏バテ予防にも良い」
「鬼道君も食べに来る?…なんてね!」
「良いのか?」
「えっ」
「食事時に行っても良いのか?」
「えっ、えっ…あの、大したもの出せないけど鬼道君が良ければ…ドウゾ…」
「何だその反応」
「いやだって鬼道君が一般家庭、っていうか私の家の食卓に座るんだよ??
 異常事態!!変な組み合わせにならないように今からメニュー決めなきゃ!!」
「ふっ…そうか。楽しみにしている」




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