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5月拍手(狩屋、ヨネ、神童)

■こどもの日(狩屋)

「こどもの日だね!柏餅作らないと!」
「名前さんマジで食い物の事ばっかりっスね」
「私 料理長だし。大体さぁ、そんな事言って私の作った料理一番食べるのマサキじゃん。アンタこそ食い意地張りすぎ」
「俺は食い意地が張ってんじゃなくて成長期だから食うのが普通なんですゥー」
「何でコイツこんなに可愛げなくなったんだろ。園に来た頃はあんなに可愛かったのになぁ…
 ヒロトとリュウジのせいかな」
「心の声漏れ過ぎ…ってか可愛いって何だよ。猫被ってただけだっつーの」
「家で猫被ってたらしんどいから脱いだ、と」
「…そーだよ。ずっと良い子ちゃんなんか出来るかよ」
「反抗期じゃん…保護者2人に報告しとくわ。面談だ面談」
「名前さんは保護者じゃねーのかよ」
「そうね、保護者じゃなくて家族だからね。保護者が良い?」
「要らねー」
「OK じゃあ家族として言うけど後一回偉そうなタメ語使ったらご飯抜きね」
「スンマセン…」
「素直でよろしい。じゃあ小さい子達とこいのぼりの飾りつけしてきて〜。
 真鯉と緋鯉は倉庫にあるの使って、子供の鯉は皆で紙で作るの」
「えぇ…俺そんなのやり方分からね、…ないです」
「その辺りは瞳子ねぇさんが指示してくれるって、多分。
 私はその間にちらし寿司とか柏餅作っとくからへそ曲げずに頑張れ!!」
「…」
「頑張ったら柏餅はマサキにだけ2つにあげるから、特別に。
 秘密でね!贔屓とか言われるから誰にも言っちゃ駄目だからね!!絶対だからねっ」
「…ハイハイ…(名前さんホントこういう所ズルいよなぁ…)」



■母の日(ヨネ)

「ヨネさぁん」
「おや、名前ちゃんじゃないの。どうかしたの?」
「今日は母の日だから、いつもお世話になってるヨネさんにこれを渡そうと思って」
「あらぁ、可愛いピンクのカーネーション。私がもらっちゃって良いの?」
「勿論です、ヨネさんはこっちのお母さんだから。あんまりお小遣い無いから1本だけだけど」
「そんなの気持だけで良いのよ。一輪挿しに生けておくわね。
 ふふ、本当に綺麗。花なんてもらったのはいつぶりかしらねぇ」
「今まで沢山貰いましたか?」
「それはもう、若い時はたんと贈られたモノよ〜。薔薇に胡蝶蘭にチューリップ…」
「モテモテだったんですね!良いなぁ〜」
「名前ちゃんは誰か良い人いないの?」
「良い人?付き合ってる人って事ですか?それはいないけど…」
「ってことは好きな子はいるんだねぇ…良いわね、青春してるって感じがして」
「誘導尋問された…恥ずかしい」
「大丈夫よ、名前ちゃん。他にも沢山ある色の中でこれを選んでくれたんでしょ?『感謝』って意味を込めて。アンタみたいによく相手の事考える子はきっと素敵な人と縁があるわ」
「本当ですか?…だったら良いなぁ」
「告白の前日は言いなさいね、ゲン担ぎのご飯作ってあげるから」
「わぁ、ありがとうございます!それじゃあその時はお願いしま〜す!」




■五月病(神童)

「ふぅ…」
「−−−…名前?」
「あ、拓人君…おはよ」
「おはよう…どうした?いつもの元気がない」
「えっ…そうかな?そうでもないよ、普通普通。GW休み過ぎたんだね、きっと。体と気持ちがだれちゃったみたい」
「そう…なのか?でも、五月病って言葉もあるんだ、無理するなよ?俺も霧野も隣のクラスにいるんだから何かあったら相談してくれ」
「ありがとう。そういう拓人君は五月病 大丈夫?サッカー部大変そうだけど…」
「あぁ…そうだな。新入生が管理サッカーに反発したり、それを南沢が抑えようとしたり、また違う新入生がシードだったりシードかも知れないと部内の雰囲気が軋んだが…取り敢えず慣れた」
「それに慣れたの?凄いね…」
「そうだろうか…?」
「私だったら五月だけと言わず継続的に鬱になってるよ…拓人君は強いね。格好良いな」
「あ、ありがとう…」
「…よし、元気ないの終了!下見て暮らせじゃないけど、拓人君がこんなに頑張ってるんだから私も頑張らないとね」
「…。その、名前」
「なぁに?」
「…お前にはお前のペースがあると思うから、あんまり無茶するなよ。別に、誰かと競う必要もないんだからな」
「…うん、ありがとう!じゃあまたね!」






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