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GW合宿(雷門中)後半

■合宿4日目(秋、春菜)


「おはようございまーす」

「おはよー」

「おはよう、春菜ちゃん」

「お二人共早いですね…私まだ結構眠くて…ふぁあ…」

「私も眠いよ〜、いつもより早起きだからなかなか目が開かないんだよね」

「でも冬より起きやすい気がしない?日の出が早いからかな」

「秋さんはいつもきちんと起きてそうですもんね!見習わなきゃ」

「確かに。今日から夏未ちゃんいないから起きる時間だけじゃなくて
 1人が1.3倍ずつくらい動かないと駄目だしね」

「うーん大変そう!頑張らなきゃですねっ」

「いつもは4人で分担してるから大丈夫だけど、
 普通はこんなにマネージャーいないものね。1人か2人くらいかな?」

「そう言えばそうだよね〜、11人以上に対してそんな少数でサポートしてるのは
凄い事だよ。
 マネさんいない学校は選手が練習の他に動くんだろうし、私恵まれてるなーって思うもん」
「確かに…」

「そうね。選手の皆もだけど、私達マネージャーもお互いの事を大切にしないとね」

「秋さん…」

「名言だね。夏未ちゃんにも送っとこ」

「ええっ止めてよ、恥ずかしいわ名前ちゃん…!」

「そんな事ないよー、良い発言なのに!」

「…あっ、名前さん秋さんっ皆さんが起きて来たみたいですよ!」

「あれ、本当だ。いつもよりメチャクチャ早い」

「じゃあ、手分けして朝ご飯盛り付けちゃいましょ」

「よーし、やりますか!皆おはよー!ご飯から入れるからこっちに並んでねー!!」




■合宿5日目(風丸、染岡)

「おぅ、名前じゃねえか」

「あっ染岡君だ!風丸君もおはよ〜、元号変わって初めて会ったね!」

「おはよう名前。そう言えばそうだな、女子ではお前が初めて会う奴だよ」

「2人の一番貰っちゃった!」

「あー、そりゃ良かったな。それにしてもお前、こんな早くから飯作ってたか?」

「いやぁ…昨日は勉強タイムが捗らなくて、
 寝る前のマネ業を秋ちゃんと春菜ちゃんにお願いしたから
 朝食は私がやろうと…2人は朝練?」

「あぁ、染岡がスピードの乗る走り方が知りたいっていうから
 一度走り込みしてみるかって事になってな」

「先手必勝って言うだろ、速攻でボールを運べたら得点もしやすくなるしな」

「成る程…染岡君は体格も良いし、走るの早くなれば強いよね」

「あぁ!豪炎寺ばっかりに良い格好させる訳にはいかねぇからな」

「俺もDFだが攻撃にも積極的に参加していきたいからな。
 染岡に位置取りとか聞くのは為になる」

「おぉ…やる気に溢れている…!」

「俺はいつもと同じだ。勝つためにはやる事やらねぇとな」

「そっか…そうだね。
 雨の日も風の日も新しい1日になっても、必要な事は変わらないんだよね」

「違いないな。…じゃあ俺達はそろそろ外に行くから、また後で」

「名前のやるべき事は…取り敢えず朝の支度か?美味いメシ頼んだぞ」

「うん、分かった!二人とも頑張れ!キッチンから応援してるよ〜!」




■合宿6日目(豪炎寺)

「…あれっ、豪炎寺君?どこか行くの?」

「あぁ、名前か。夕香の見舞いにな」

「お見舞い!そっかぁ…いつも行ってたもんね。でもそのリュックサックは…?」

「下山するんだから装備があるのは当たり前だろう、山をなめたら命に関わるぞ」

「下山!?えっ1人で行くの!?」

「監督には言ってある」

「いや、言ってても危ないよ…変に道から外れて迷ったらどうするの?」

「携帯の電波も届くし、険しくはあるが登山コースでな。
 ガイドが付いているから大丈夫だ。
 ここに着いてから毎日行き来しているんだ…良いトレーニングになるぞ」

「練習後に毎日行って夕ご飯までに帰って来てるの…?
 ストイック過ぎない…??…まぁ、そこまで言うなら止めないけど気をつけてね」

「あぁ、ありがとう」

「何かあったら携帯に連絡してね。山岳救助隊に捜索依頼だすわ…」

「大ごとにするな…」

「新聞やニュースになりたくなかったら決まった道に沿ってきっちり行き帰りしてね!
 妙な気を起こしてショートカットコースとか言ったらろくな事にならないよ!!」

「分かった分かった。…じゃあ行ってくる」

「はーい、行ってらっしゃいー」



「(…、何とか誤魔化せたか。
 言ってる事が滅茶苦茶だったが、まぁ名前も気にしてないみたいだったから良いか)」


「(うーん、やっぱり何か言ってる事がおかしかった気がするなぁ…。
 まぁ豪炎寺君だし危ない事はしないだろうから良いか)」




■合宿7日目(響木)

「なぁ名前!ちょっと手伝ってくれよ!」
「はーい」

「名前ちゃーん、ここなんだけどさぁ」
「はいはい、どこ?」

「なぁ名前。ミーティングの議題なんだが…」
「うん、今行くね!」

「名前さーん」
「名前〜」
「ちょ、ちょっと待ってねー!!」


「…つ、疲れた…。今日は一体何事…!? 秋ちゃんや春菜ちゃんも他の用事してるし…。
 私だけでも夕食の準備をしなければ…、…!?」

「…む、何だ名前、もう来ちまったのか」

「響木監督。どうしたんですかその格好!?」

「お前さん達マネージャーがずっと動き詰めだったから、
 出張で雷々軒を開いて労ってやろうと思ってな。サプライズってヤツだ」

「かっ監督ぅ…!!」

「円堂達に準備が出来るまで山程用事作って捕まえとけって言っておいたんだが、
 全部こなしたみたいだな。優秀、優秀」

「あの忙しいの監督のせいだったんですか!?なんか変だと思った!!」

「まぁ、悪く思うな。奴らも俺に頼まれてやった事だ。
 名前、お前達の為に買い出しに山を降りたり食材切るのを手伝ったり…皆頑張ってたぞ」

「そ、そうだったんですね…」

「切り方が下手過ぎて担当がどんどん変わっていったがな」

「だから呼び止める人がめちゃくちゃ入れ替わってたのか」

「食べ盛りが沢山いて足りないだろうから、
 昨日も今も豪炎寺が買い出しに行ってくれてるしな」

「あっそう言えば昨日、豪炎寺君がやたら大きなリュック背負ってました!
 …皆、一生懸命用意してくれたんですね…」

「あぁ、そうだ。もうすぐ出来上がるから後少し待ってろ。
 不恰好な切り方の具もご愛嬌ってな」

「…はい!」




■合宿8日目(元・帝国組)

「よーし、皆!合宿も今日で最後だ!練習、気合い入れてこーぜ!!」

「「「おー!!」」」

「監督は先に退所の準備をしているから、俺から予定を伝える。
まずアップが終わったら午前は紅白戦だ。昨日、俺と監督で組み分けた9人ずつに別れて…」

「えっ鬼道君ちょっと待って?選手18人もいませんよ私達」

「名前と木野も参加してもらうぞ。
多少経験あるだろう、出来るだけ実践に近い人数でやりたいからな」

「めちゃくちゃ言ってる!!」

「午前練が終わったら午後は掃除して帰る。では引き続きメンバーだが…」

「ちょっとー!話聞いて!!」

「前に立つだけでもプレスはかけられるだろう。
大丈夫だ、さすがにお前達の相手にタックルやスライディングはしない」

「鬼道君…本当だよね?したら絶交だからね!!絶対絶対絶対に…!!」

「小学生か。いいから始めるぞ」





「つっっかれた…」

「名前ちゃん、お疲れさん!慣れない事させてごめんネ!」

「土門君…紅白戦は土門君のせいじゃないから良いんだけども…
それよりも今 掃除を死ぬ気でやってる事の方がしんどい…」

「あっそれも手伝ってくれてアリガト!名前ちゃん達は早くに終わったんだなぁ」

「いや、元々そんなに散らかってなかったから…
と言うかここの男子部屋、汚な過ぎない…?」

「あー、まぁ壁山がお腹空かして可哀想だったから
俺らもお菓子いっぱいあげちゃったしね〜。食べカス散乱しちゃってるかな!」

「いやいやその都度 掃除しようよ!!」

「確かにそれは失敗だったな、ちょい不衛生だよなぁ…あっゴキブリ」

「ぎゃーーーーーっ!!!?」

「…どうした名前?そんな大声で…大丈夫か」

「鬼道くーん!助けて!ゴキブリは!無理!!」

「??…あの隅にいるやつか?殆ど動けないようだが…」

「トドメ刺すのも死骸処理も嫌だよ!!」

「仕方のない奴だな。土門、そこの新聞紙を取ってくれ。もう読まないだろう」

「あいよ」


バッシーーーン!!!


「…、…」

「…よし。土門、後はゴミと一緒に出しておいてくれ。名前も、これで良いな?」

「…、うん…。良いんだけどさ…」

「まだ何かあるのか?」

「鬼道君ってそんな冷静にゴキブリ退治出来るんだね…。私勝手に同類だと思ってた…」

「あっそれは俺も意外だった。てっきり頼まれるかと思ってた!」

「お前達、俺を何だと思っているんだ…」





■合宿後(円堂)

♪〜♪〜

「着信?円堂君からだ…はい、名前です」

「あっ、名前!円堂だけど!昨日はお疲れ!」

「お疲れ様〜。どうしたの?改まって」

「いや、何となくだけど…このGWの合宿って名前が提案してくれなかったら
 始まらなかったなーって思ったら、何か電話したくなったんだよな。
 色々とありがとなっ」

「え、そんなの気にしなくて良いのに…律儀だなぁ円堂君は。
 こちらこそチームを引っ張ってくれてありがとう」

「へへっ、楽しかったよな!また夏休みとかにやろうぜ!!」

「やるのは良いけど内容は精査させてもらおうか。特に、と言うか主に登山と紅白戦ね!」

「えー!良かったじゃないか!」

「良くないよ!両方とも私にとっては辛すぎたから!
 皆 遠慮して必殺技とか使わなかったのに正義の鉄拳でボールごと私をぶっ飛ばしたのは誰さ!」

「俺だな!」

「ちょっとは罪悪感持って!!」

「悪い悪い、豪炎寺もシュートの体勢になってたから真剣になっちゃってさ…今度は気をつける!」

「(信用ならない…)」

「だからまた名前達も混ざって試合やろうな!なっ」

「はいはい…分かったよ、次に機会があったらね。…ところで円堂君」

「? 何だ?」

「課題テスト大丈夫そう?」

「…」

「黙ったよ!あれだけ臨時家庭教師の2人が頑張って教えてたのに!
 休み明け初日がテストだけど大丈夫…!?」

「ーーー…出来るだけ頑張る!!」

「忘れてたね!?」

「うぅっ、今からと明日1日かけてもう一回見直す…部活中止は嫌だもんな…。
 じゃあ名前、また学校でな…!」

「うん…お互い頑張ろう?じゃあね」


ピッ


「…ふぅ。…えーっと…連絡網作って…

『円堂君の1日家庭教師募集!
円堂君が課題テストで大ピンチ!っていうか部活中止のピンチ!
集まれる人は明日、円堂君の家に集まって皆でテストに向けて最終調整しませんか?』

って感じかなあ…。よし、送信っと」


ピロン♪


「…2年生誰か来てくれますよーに!」





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