GW合宿(雷門中)前半
■GW前(円堂・夏未)
「今年のGWは10連休〜!皆はどこか行ったりするの?」
「勿論 部活だろ?サッカーやろうぜ!!」
「円堂君には愚問だった!!
でも今は先生やコーチの労働時間が問題になってるから中学校自体を閉めるらしいよ。
ニュースにもなってたし。ねぇ?夏未ちゃん」
「当然でしょう、我が雷門中はクリーンな学校経営を軸としているのよ名前。
そんな事は基本だわ」
「ええぇ〜!折角全体のレベルアップ出来るチャンスなのに…!」
「じゃあ合宿しよ〜そうすれば学校のグラウンドがなくても練習できるよ!
もしくは練習試合してくれる学校に日替わりで行きまくるとか」
「おぉっ!名前ナイスアイデア!
早速近くの学校に聞いてみようぜ!」
「ちょっとお待ちなさい、それはもしかしなくとも後者にするという事?
相手校の都合もあるのにそんな急な思い付き、認めません」
「あぁそっか、そう言えばGWまでもう日がないから他の部は予定空いてないかもね」
「名前〜〜自分で言っといてなんだよそれ〜」
「え〜〜、でもあんな簡単にノッちゃう円堂君にも責任はあるもん〜」
「もう、よしなさい あなた達。
出来ない事に駄々をこねても仕方がないのだから、合宿先を探すわよ」
「えっ夏未ちゃん一緒に探してくれるの!?」
「いいのか夏未!?」
「マネージャーなのだから当然でしょう。
でも途中で家族旅行へ行くから抜けると思うわ…。
後、同じ様に都合のある人もいるかも知れないから、参加は強制ではなく任意にする事!」
「おう!じゃあ今日の放課後、早速皆に聞いてみようぜっ」
「お〜!!」
■合宿準備(壁山、栗松、宍戸)
「さて皆!早速だけど合宿のしおり作るよ〜」
「出発って明後日ですけど今から間に合いますかね…?」
「パスポートみたいな特別な物じゃなければ今日だけでも用意出来ると思うし、
生活用品の備忘録みたいにしようとしてるんだけど…」
「確かに…。家で準備してたら絶対途中で中断するから何入れたか忘れるんでヤンス…」
「栗松君お兄ちゃんだから遊び相手しないといけないもんね。
じゃあ箇条書きじゃなくてチェックリストにしよ。
着替えとタオルとシューズと…歯磨きセットとかかな?」
「名前さんパソコン打つの早いっス!」
「そっかな〜?褒められると嬉しいなぁ、ふふっ!さて、他に何かある?」
「俺は枕。違うものだと寝られないので…」
「あー、そう言う人いるねぇ。『この消毒剤じゃないと荒れる』とか。
じゃあ、くすり等個人の必要物品、と」
「名前さん、おやつとかどうするんっスか?」
「山の中の合宿所だから周りにお店ないし、いるなら持って行っておいた方が良いかな」
「名前さん!壁山は何円までか決めておかないと無限に持って来そうでヤンスよ!」
「えぇ…じゃあ1日当たり300円くらい?」
「えーっ全然足りないっスよ〜!」
「困ったなぁ…じゃあ500円…?じゃないよ、もう壁山君。遠足じゃないんだから〜」
「うぅっすみません…でも俺にとっては大きな問題なんっス…!」
「はぁ…まぁ、ある程度持って来てたら大丈夫じゃないかな?
山降りたらお店あるし言ってくれたら買い出しと一緒に買ってくるよ」
「良かったなぁ壁山」
「餓死は避けられたでヤンス!」
「良かった良かった」
「はいっス!」
「でも最初に持ってくるのも買い出しするのも、持てる量くらいにしようね」
「…はいっス…」
■合宿1日目(半田、松野)
「1日目はトレーニングを兼ねて登山だよ!」
「え〜〜」
「因みに他のマネージャーさん達は先に行って待ってくれてるからね」
「何だ、木野達が登れるなら大した事ないんじゃないの?」
「ヘリで」
「へリ!!?エアポートあるのかよ!?」
「山奥過ぎて急病人出たら駄目だから切り拓いたらしいよ」
「合宿所も大変だな…」
「私も連絡係として一緒に登るんだから文句言わずにさっさと出発するよ〜」
「名前は馬鹿みたいに体力ありそうだし、
あんまり登山の難易度の尺度にならなさそうだなぁ」
「暴言3回はレッドカードとしてタイヤ引かせるよ松野君」
「ごめん」
「(恐ろしい制度だな…)それにしても名前。
よく自力の登山OKしたな?俺だったら嫌かも…」
「ヘリなんか地面に足つかないじゃない…そんな怖いの無理!
ヘリや飛行機乗るくらいなら合宿なんか行かない!」
「そんな理由〜?」
「もー、その話はいいって。
早く登り切らないと、お昼時に間に合わなくなっても知らないよ?」
「えっ飯抜きとかあるのか…!?」
「作った後に時間経ったら痛むでしょ、作り直すにしてもお店に買いに行かないと食材ないから時間かかるし。
夕ご飯の用意あるからまたその暇がなくなるし…実質ご飯抜きだよね」
「も〜、そういう事は早く言いなよ」
「だから『さっさと出発するよ』って言ったじゃない〜」
「あー、言ってたな…。とにかく、飯抜きは避けようぜ」
「ハイハイ。んじゃ、行きますかぁ」
■合宿2日目(影野、鬼道、目金)
「…眩しい…」
「まあ…遮るものない山の上のグラウンドだからね。
でもいつものグラウンドでも同じような状況なんじゃ…」
「いつもより光源が近い…」
「そうだな、標高が高いという意味ではいつもと違うかも知れない」
「熱源も近い…熱い…」
「目の前で焚火をしているのだから当然だろうな」
「そこは我慢してもらわないと…
今日のお昼は飯ごう炊さんだからこの火が小さいとお米炊けないよ」
「影野君、注意しないと髪に火の粉が飛びますよ」
「もしそれで髪が燃えてチリチリになったら、宍戸君みたいなヘアスタイルに…!?」
「興味深いですね、試合で相手チームを翻弄できるかも知れません!」
「俺はこの髪型で慣れてるからこれで良い…」
「そんな事で出し抜けるチームは勝ち上がって来ないだろう…
馬鹿言ってないで火の加減を見ないか」
「「「はぁい」」」
「…そう言えば鬼道君。影野君」
「何だ?」
「2人は暗い所とかは不便じゃないの?ゴーグルしてたり目が髪で隠れたりしてるけど…」
「場所によるな。だが、もう慣れているから大抵は大丈夫だ」
「俺も暗い方が得意だから…」
「そっかぁ、なら大丈夫かな?肝試しとかもやろうかなーって思ってて。
でも暗すぎて見えないなら危ないし違う事しようかなって」
「無用の心配だな」
「良かった〜」
「…でも、懐中電灯やランプを貸してもらえば
見えなくなるほど暗くならないのではないですか?」
「…あっ」
■合宿3日目(少林、一ノ瀬、土門)
「さて、今日も楽しい夜勉強のお時間がやってきましたよ…」
「名前さん、大丈夫ですか…?」
「10連休ともなると課題が出るのは分かっていたけれど
合宿まで持ってきてやる事になるとは…」
「雷門さんの提案でしたね。
でも僕も英語苦手だから助かるかも、教えてくれる先輩がいるし…今は円堂さんにかかりっきりだけど」
「そうだねぇ、豪炎寺先生と鬼道先生は円堂君を鍛えないとGW明けのテストがヤバいからねぇ…。ここは別の先生をお呼びしましょう!
一ノ瀬先生、土門先生お願いしまーす!」
「先生だなんて新鮮な呼び方だなぁ」
「俺は何か恥ずいわ…」
「お願いしまーす!」
「少林はどこが分からないの?」
「ここの問題なんですけど…」
「名前ちゃんは?」
「紙の上の書いてる事は分かるけど聞き取りになったら何言ってるか分からないかな」
「そりゃ耳慣らすしかないわ。洋楽とか聞いてみたらどうよ?」
「う〜ん…海外の人知らないしなぁ。土門君、お勧めのアーティストいる?」
「俺の?そう言われると誰だろうなぁ…
こっちに帰って来てからはあんまり聴かないしな…」
▽
「よし、本日のリスニング終わり〜」
「まさか英文音読させられるとは…」
「ありがとう土門君!」
「どういたしまして」
「…何々、名前も土門も何してるんだい?」
「おっ、一ノ瀬 もう少林のお抱え教師は良いのか…ってお前こそ何してるんだ…」
「少林は飲み込み早かったから今度は俺がクンフー教わってる」
「一ノ瀬さんの説明、分かりやすくてすぐに解き終わっちゃいました!
あっ一ノ瀬さん、手はこんな感じで呼吸は…」
「えーいいなぁ私も護身術として習いたいな」
「お前ら先に勉強をしなさいよ…夏未ちゃんにどやされるぞ!」
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