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3月拍手(松野、アツヤ)

■防寒具(松野)


「うぅ…寒い!寒すぎるよ松野君ー!
 昨日はあんなに暖かかったのに今日と差がありすぎる!朝練が辛い!」
「名字はマネージャーだから温まるくらいは動かないもんねぇ。あー可哀想ー」
「心にもない事を…。と言うか手袋もマフラーもタイツも履いているのに
 こんなに冷たいなんて後は一体どうすれば…、…。…帽子か」
「何で僕見るまで気付かなかったの」
「んー、特に意味はないけど最後の手段かなぁって…。
 何か帽子って取る時髪の毛くしゃくしゃになるんだもん…」
「名字、ヘアブラシ持って来てるじゃん。何で使わないの」
「折角、朝バッチリ決めてきた髪をわざわざ台無しにするのが嫌なの!
 松野君もこだわってそうなのに意外と気にする感じないよね」
「こだわるのは髪型より帽子かな〜。
 夏と冬は使ってる素材で被り分けたら問題ないし、楽だよ」
「素材とな…。そのにゃんこ帽、実は奥が深かったんだね」
「興味あるなら名字も今度一緒に買いに行く?」
「えぇー、良いの?行く!連れて行って〜」
「ハイハイ、じゃあ今度の休み空けといてね」



■防寒具2(吹雪アツヤ)


「アツヤ君お待たせ〜」
「遅い。熊殺しのアツヤ様を待たせるなんて名前、お前ぐらいなもんだぜ」
「ゴメンね、今年卒業する先輩への花飾り作ってたんだ。良ければどうぞ、試作ですが」
「要らねぇよ、まだ俺は在校生だっつーの。ほら帰るぞ」
「そうだね、あんまり遅いと家の人が心配しちゃうし…。
 …はぁ、外は暗いし寒いし嫌だなぁ」
「まだ今日はマシじゃねーの。ってかお前手袋どうした、朝はあったろ」
「早退した友達があまりに寒い寒い言うもんだから貸しちゃった」
「馬鹿か…明日はお前が早退すんぞ」
「大丈夫、両ポケットにずっと突っ込んで帰るよ!」
「お前、滑って転ぶだろ…」
「転んでも大丈夫、毛糸のパンツ履いてるから見えないし痛さも減るはず!」
「余計な情報を寄越すんじゃねぇ!!…ったく、しょうがねえな。オイ、手貸せ」
「?」
「繋いどいてやる、そうすりゃバランス崩しても支えられんだろ」
「アツヤ君優しい〜!後、嬉しい!ありがとう!」
「っ今日だけだ、今日だけ!明日は代わりの手袋持って来いよな!」



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