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2月拍手(万作、久遠)

■恵方巻(万作)


「今年の恵方は東北東〜♪」
「ああ、節分か。つい昨日まで正月ムードだったのにな」
「万作君の家の恵方巻きは美味しそうだね、新鮮なお魚が沢山入ってるんだろうな〜」
「特上巻きとかはそうだな。上巻きとか色々種類があるから仕入れによって変えたりしてた。
 手伝うのも大変だったな…」
「凄い、巻けるんだ!?私もやったことあるけど何か上手く巻けないんだよね…
 具入れすぎても口に入らないしさ」
「名字、欲張って何でも巻き込みそうだもんな。ハムスターみたいになってそうだ」
「酷い。近年は反省して細巻き選んで食べてるもん」
「節分なんだから恵方巻食えよ…」
「だって食べてる間は口離しても喋っても駄目なんでしょ?太巻きとか無理だよ…。
 だから細巻きは恵方向いて食べる用!恵方巻は切って美味しく食べる用!」
「でもこの時期じゃ太巻きばっかで細巻きなんて売ってないだろ、自分で作るのか?」
「うん!柵買って酢飯と合わせて巻く。
 でもどれが新鮮なのか分からないから買い物行ったら教えてね!」
「…そういう事なら仕方ない、最初だけだからな。言っとくけど最終的には自分で選べるようになれよ?」
「やった〜、さすが万作君!優しい〜」
「ったく、調子良いな名字は…ほら、売り切れる前にさっさと店に行くぞ」






■炒り豆の数(久遠)


「鬼は外〜!福は内〜!」
「って!トゲトゲ!俺に向かって豆投げてんじゃねーよ!」
「鬼に一番近いかなーって。悪いモン体から追い出そーよ」
「フィールドの悪魔と鬼は別モンだろうが!くっそ、同じだけ当てるまでテメーを的にしてやる!!」
「豆まき合戦?面白そうじゃん」
「こらお前達!ちゃんと節分の意味に添って豆撒きをしないか!」
「水神矢、注意すんのは多分そこじゃねえよ…人に向けて投げんなって事だろ」
「折緒、もう何も言うな…言うだけ疲れるぞ」


「…」
「名字、お前は豆撒きして来ないのか?」
「久遠監督…はい、掃除箇所増えるだけなので。…大人しく年分の大豆食べて終わっておきます」
「そうか。…まぁ終わったら手伝うよう頼めば断る奴らじゃないだろう。
 自分だけでやろうとせず協力を頼む練習をしろ、お前は」
「(見抜かれてる…)…久遠監督も大豆いかがですか?撒くにしても量を減らしたいので」
「…頂こう」
「(…、そう言えば久遠監督っておいくつなんだろう?食べる豆数えてたら分かるかな)」
「…」
「…(…5、9…まぁ一桁じゃないし)」
「…」
「…(19…25…、30前半かな…?)」
「…、…」
「…(今思えば30以上大豆食べ続けるの疲れるかな?お茶もって来た方が良いかな?)」
「…名字」
「え?あっハイ」
「何か言いたい事があるなら言え。…それも練習だ」
「…久遠監督。監督って…」
「何だ?」
「…、いえ。乾燥大豆ってパサパサしますよね。何か飲み物持ってきましょうか?」
「…気を遣わせて済まないな。折角だから頂こうか」


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