右腕には女の子なら誰でも知ってるんじゃないかってぐらい有名な人気モデル黄瀬涼太。
左腕にはとにかくデカい、あの某人気アニメごっこをしたら巨人役がぴったりな紫原敦。
背が高い二人に双方から引っ張られる私は若干足が浮いてます。


「二人ともとりあえず離そうか」「「やだ」」
「即答かよ」


「なまえちんは今から俺とご飯食べんの。黄瀬ちんどっか行ってよ」
「いやいや、なまえっちはオレと一緒に食べるんスよ!紫原っちこそ他行ってくださいっス!」
「はあ?何言ってんの?俺の方が先になまえちんと約束してたし」
「オレの方が先っスよ!」
「もういつもみたいに三人で食べればいいじゃん…」
「「二人っきりで食べたい(の)(んス)」」


面倒くさい人達だなあ。毎日毎日争いを聞かされるこっちの身にもなってほしいもんだ。個人的には黒子くんと食べたいんだけど。静かで落ち着くし。


「僕を巻き込まないでもらえますか」
「助けてよ黒子くん」
「知らないですよ僕は関係ないです」
「ひどーい。黒子くんと私の仲じゃない」
「ちょっと、今のどういうこと?黒ちんとなまえちんそういう関係だったわけ?」
「聞き捨てならないっスね!黒子っちもライバルだったんスか!」
「なまえさんのせいです。僕を巻き込むなと言ったのに…」
「え、なんかごめんね…」


何で私が謝らないといけないんだ?


結局いつもみたいに三人で食べることになった。黒子くんは逃げた。いつのまにか隣に居なくて。ミスディレ使うなよ裏切り者ー!

この2人と食べると色々と面倒なのだ。やたらとベタベタしてくるし、あーんとかしてくるし。周りの女子の視線がもう痛くて痛くて特に黄瀬くんファンは恐ろしい。ビッチとかめっちゃ言ってくるんだよね。いつお呼びだしがくるかひやひやしてるんだから。


「なまえっち、ほらあーん」
「あ、結構です」
「黄瀬ちんざまぁ」
「食べてよ、ね?ね?ほら、あーん」
「あー、もう分かったから」


食べて食べてとうるさいから一口貰うと黄瀬くんは嬉しそうに照れ笑いを浮かべた。乙女か!
隣でむーと唸り声が聞こえて何かと見てみれば正体は紫原くんでした。


「どうしたの紫原くん」
「……」
「なにむくれてるのー」
「べつにむくれてねーし」
「機嫌直してよ、ね?」
「なまえっちこれも食べてみて!」
「あー、後でね」
「えー」


むぅとほっぺを膨らませてる紫原くんもかわい、…ごほん。早く機嫌直してもらわないと後で怒られるのは私なんだから。何故かいつも赤司くんに怒られるんだ。「はやく敦の機嫌直してこい」と。だから何で私なの。

つんつんと軽くつついてみるとちらりと私の方を見てからまいう棒を口にした。あらら、相当ご機嫌ナナメのようですな。


「ねー、紫原くん」
「……」
「……敦くん」
「ぇ…」
「そのまいう棒一口ちょうだい?」
「……別にいいけど」


照れながらはいとまいう棒をくれた紫原くん。だから乙女か!
横で紫原っちだけズルいと叫ぶ黄瀬くん。まあ、また今度呼んでみてあげようかな。涼太くんって。


隣でまいう棒をしゃくしゃくかじりながら「間接ちゅーだねー」と言われてお茶を吹き出した。そういう発言は控えてください!いつか私ファンの子に殺される!


なんやかんやで三人で食べるのはすごく楽しいし、私はこの時間が好きなのかも。
2人の相手は大変だし、陰口とかヒドいけどなんと言われようと私はこの2人が大好きだ。そんなこと言ったらきっと調子に乗るから絶対に言ってやらないけどね。




リクエスト:黄瀬と紫原/愛されとか三角関係とかで甘め

三角関係初めて書きました。黒子っちも登場しました笑。あまり甘くなくて申し訳ないです。でも、楽しかったです!素敵なリクエストありがとうございました。


title by:√A

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