久しぶりになまえちんが俺ん家に遊びに来た。俺の部屋が見たいって言うから今日は俺ん家でデート。
俺の部屋散らかってるからあんまり見せたくなかったんだけど、まあいーや。なまえちん喜んでるし。


「敦くんシュークリーム持ってきたよ」
「ほんと!?わーい流石なまえちん」
「ここのケーキ屋さんのねシュークリームすっごく美味しいの」
「へ〜…紅茶とか、飲む?」
「ん、いただきます」


はやくそのすっごく美味しいらしいシュークリームを食べたかったけど、リビングに降りて紅茶を淹れる。紅茶のいい香りが俺の鼻を擽った。


「ん〜幸せ…」
「おいしーなまえちんありがとね」
「敦くんに喜んで貰えて良かったよ」


本当に幸せそうにシュークリームを食べるなまえちんは可愛いくて、思わずなまえちんの口の端に付いたクリームを舐めとるとすごく甘くて、顔を真っ赤にして怒られた。

それからはだらだらとくつろいで、俺は彼女を抱き締めるように後ろからくっついてなまえちんの頭に顔を乗せた。そんな事気にも留めないで、なまえちんは俺が載ってるバスケ雑誌を真剣に読んでる。恥ずかしいしやめてほしいんだけど。かっこいいとかボヤいてるけど、後ろに本人いんだからね。


「ん、なんか甘い匂いする…」
「んー?そう?」
「なんだろ。桃?さくらんぼ?」
「なんだろうねー」


そっけない返事に多少むっとしつつ匂いの根源を探るべく、くんくんと鼻を鳴らす。擽ったいと身を捩ったなまえちんにちょっとだけむらっとした。ちょっとだけね。


「……あ、ここからだ」
「ちょ、敦くん!顔、近いからっ」
「新しいの?これ」
「昨日、買ったの。薄いピンク色で可愛いかったから…」
「ふーん?」


確かに綺麗な薄いピンク色に色づいた唇は、甘いフルーツの匂いがして甘くて美味しそうだ。舐めたらどんな味がするんだろう?
きっとなまえちんは怒るんだろうな。さっきみたいに顔を真っ赤にさせて。そんな顔余計に俺を煽るだけだっていうのに。


「なんかさ、」
「ちょ、待っ…」
「食べたくなる」
「んん、ふっ」


フルーツの匂いのするそれはフルーツの味なんてしなくて、ベタベタして気持ち悪かったけど、何故かシュークリームよりとびきり甘く感じられた。



140622

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