「ツンデレってね、最高だと思うんだ。好きな人にはツンツンしちゃうなんて可愛いよね。まあ、黒子くんだから可愛いんだけど。私的にはツンツンツンデレぐらいの割合がベスト。デレが多いのはそれはそれでいいんだけど、たまにデレてくれるぐらいがちょうどいいの。あ、デレなしってのは嫌なんだよね。それじゃツンデレが成り立たないし。分かる?つまりね、何が言いたいかって言うと黒子くんがデレてくれません。どうすればいいですか」

「知らねーウザい爆ぜろリア充」

「黒子くんのねツンも可愛いんだよ!?それはもうすごい破壊力なの!だけど!たまにはデレてくれないと私デレ不足で死んじゃう!」

「じゃあ死ね。俺部活行ってくるわー」

「くっ…冷たい奴め。あやつもツンデレなのか…?」


黒子くんとめでたく付き合うことになってから、素晴らしいくらいに黒子君の態度は変わらなかった。最初はツンデレおいしいですモグモグとか思ってたんだけど、少しくらいイチャイチャしたいじゃん!?



「黒子くんとラブラブしたいよー」

「例えばどんなことですか」

「えー?例えばぁ……黒子くん!?」

「何ですか煩い」

「え、だって、何でいるの?部活じゃ…」

「今日は休みです」

「そ、そうなんだー」


あれ。かがみん部活行ってくるとか言ってなかったっけ?あれれ?
まだ教室にはまばらに生徒が残っているけど、まあ、いいや。黒子くんと居られるんだし。


「で、何がしたいんですか」

「え、言ったらラブラブしてくれるの?」

「何で君とそんなことしないといけないんです」

「私のガラスのハートがっ!」



うううと胸を押さえればふっと鼻で笑われた。ちょっと黒子くん!?地味に傷ついたよ!?
そんな私を余所に黒子くんは私の言葉を待っているようだ。例えばって言われてもなぁ…。


「手を繋いで帰ったり」

「……」

「ファミレスとかで飽きるまでお喋りしたり」

「……」

「一緒にクレープ食べたり」

「……」

「自転車二人乗りしたい」

「……」

「おうちデート…とか。一緒に読書したい。黒子くんのオススメの本教えてほしいな」

「………」

「く、黒子くん?お顔が凄いことになってますよ?」


どんどんと眉間に皺が寄ってくる黒子くんに思わず声をかける。やっぱりちょっとアレだったかな。刺激強かったのかな。ほら、乙女は皆ロマンチストだから……。


おろおろとしていたらすくっと立ち上がった黒子くんに驚いた。俯いているせいで顔がよく見えない。顔を覗きこもうとしたところで黒子くんが手をさし伸ばした。


「え?どうしたの黒子くん」

「………ょう」

「ん?」

「……手、繋いで…帰るんでしょう」

「!」


瞬きを数回して黒子くんを見る。デ、デレた……。黒子くんが遂に…。じぃぃんと感動に浸っていると早くしてくださいと急かされたので慌てて鞄を引っ掴み、そっとその手を握った。ごつごつとした男の子の手にきゅんとする。そのまま引っ張られるように廊下へ出て早足に下駄箱へと向かった。



「念のために言っておきますけど別に君のためじゃないですから」

「うん。黒子くんありがとう」

「なんでお礼を言うんですか。…絶対勘違いしてますよね。ちょっと、その顔やめてください!」

「ふふふー黒子くん好きー」

「なっ、なに、何言って……!」


後ろから見ていても分かるぐらいに動揺した黒子くん。ホント可愛いなぁ。ぎゅうっと少し痛いぐらいに握られた手は彼なりの照れ隠しなんだろう。熱い黒子くんの手と
「僕も、その……」と小さな声で呟かれた言葉にくすりと笑みがこぼれた。



彼氏の黒子くんはツンデレです(ラブラブ?編)

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