俺だって健全な高校生なわけで。思春期だし、ムラムラしたりもするわけで。総悟のヤローが変な画像を送ってきて(明日殴ってやる)、それで俺の俺が反応してしまったわけで。今コンビニでエロ本片手にレジに向かおうとしてるのも仕方がないわけで。


俺は悪くない。


コンビニを出て、さっさとこいつにおかずにヤっちまおうと家に帰ろうとした時だった。


「あれ?土方君……?」


ビクゥ!まさにそんな感じで俺は反応した。振り向けばまさかまさかのなまえの姿。


「こんな所で会うなんて偶然だね……土方君も買い物?」
「あ、ああ……」


まずい。非常にまずい事になった。まさかなまえに会うとは。今俺は手にレジ袋。中にはエロ本。もし、バレればなまえの中の俺のイメージが崩れてしまう。


「土方君もこの近くに住んでるの?」
「あぁ……」
「へぇ。知らなかった」


ニコニコと笑うなまえを俺は密かに慕っていたりする。こんな風に話せているのもいつもの俺なら喜ぶが今は早くこの下半身をどうにかせねばならない。


「ん?なまえまだ制服なんだな」


もう夜だと言うのになまえは制服姿。まぁ、制服も可愛いんだが。私服も見てみたい。


「うん。今まで習い事だったの」
「そうか。大変だな」
「土方君何買ったの?」
「え」


まさか聞かれるとは思わなかった。内心パニック状態で俺は慌てた様子を見せずに冷静に答える。


「じじじゃ、ジャンプをな……」


何が冷静に答えるだ。おもくそ噛んでるじゃねーか!


「土方君はジャンプ派なんだ?私はマガジン派」
「マガジンもいいよなー」


クッソ!マガジンって言えばよかった!俺のバカ!実際はジャンプは読まないし俺はマガジン派。あの白髪糖尿予備軍が読むもんなど見たくない。


「あ、もうこんな時間だ。帰らないと……じゃあね土方君」
「おう。また明日な」


去ってゆくなまえの後ろ姿を見送り、若干丸腰になりながら帰路に着いた。バレてねー……よな?



部屋に入ってレジ袋から取り出したエロ本を見て固まる。忘れてた。俺、女子高生もののやつを買ったんだ。

さっきのなまえの制服姿とエロ本がかぶるのは仕方ないことなんだ。






俺は悪くない。

back
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -