「バレンタインデーあるいはセントバレンタインズデーは、2月14日に祝われ世界各地で男女の愛の誓いの日とされる。日本では女性が男性に愛情の告白としてチョコレートを贈る習慣があるとウィキも言ってる」
「……いや誰だよウィキって」
「Wikipedia略してウィキだ。よくお世話になってる」
「あっそ。で、なにが言いたいの」
「チョコをくれ」
「最初からそう言え」
はい、とラッピングされた包みを渡すと左之はふっと笑った。あ、ちょっと嬉しそう。
友達が手作りにするって言ってたから私も手作りにしてみた。ラッピングにもこだわって……、ガザっと音がして左之を見ればもう包みを開けてる。頑張ったラッピングがもうぐちゃぐちゃにぃぃぃ!
「ちょ、待って!まだ食べちゃだめ」
「なんでだよ」
「いや、なんか恥ずかしいし……せめて私がいないとこでってもう食べてるし!」
「どう、かな……」
「うめぇよ」
そう言って私の頭を優しく撫でた。その一言が無償に嬉しくて、緩まる頬を両手で隠す。やばいニヤける。
ふと左之と目があって、どきどきしてたら左之が首を傾げた。
「なんだ欲しいのか?」
「ちっがーう!!なんでそうなんの!」
「物欲しそうな目してたからよ」
「マジか!」
「食うか?」
「いいいらない!」
味見でたくさん食べたし、友達に貰ったチョコもさっき食べてきた。お腹いっぱいだもん。
すると左之はチョコを一口いれ、私の肩を掴むと私に口付けた。ほろ苦いチョコが口いっぱいに広がる。
「いらないって言ったのに…」
「うまかったろ?」
にやりと笑った左之はやっぱりカッコよくて、あまりの色気にくらっとする。女のわたしより色気があるってどうゆうこと。なんだか悔しかったから左之の手から包みを奪う。
「よく味分かんなかった。だから……」
融解チョコレート
もう一回。