私が望んでいるのはそんな難しいことじゃない。女の子なら誰しも思うこと。ただ、一言でいいから、好きだとか、愛してるよとか言ってほしいものだ。
今私を組み敷いているこの男にそんなこと言っても無駄だろうけど。
「総司っ…後ろはや、だ」
「そ?なまえだって後ろの方が好きでしょ?」
好きじゃねーよ!
当然私の意思はそっちのけであれよあれよと事は進んでいく。
いつもそうだ。今日だって久しぶりのデートで、髪も切った、服も総司好みの着た、楽しみにしてた。
なのに総司ときたらちょっとブラブラしてたらホテル街。まさかと思ったら案の定今に至る。
会う度に総司はやることだけやってはいさようなら。こんなのおかしいだろ。お前の頭にはヤることしか頭にないのか!
なのに、私から出てくるのは甘い吐息。身体って正直。
総司は私の事を好きなんだろうか。まあ「私の事好き?」なんて野暮なことは聞かないけれど。ちょっとは甘えたい。
いっそのことフッてしまおうかと思ったけど無理だった。だって、総司に告白された時泣いちゃうぐらい嬉しかったんだから。
「、なまえ……」
「………」
いつもはちゃんづけのくせに。嗚呼、私って単純。
私は総司に心底惚れてる。
隣で寝てる総司の頬を軽くつついてやる。寝顔もかっこいいんだもんなぁ。
「ん、」
「あ、起こしちゃった?」
「別に……」
寝ぼけ眼で私の方をじっと見てくる。なんだなんだ。
「そういえばさ、髪切った?」
「………」
甘く耳元で囁いて
「……………馬鹿」