ディミトリB

【ディミトリ】
………。▼

【主人公】
殿下、こんな夜遅くにどうかされたのですか?▼

【ディミトリ】
あぁ、主人公か▼
大した事ではないんだ、備品の不足があったのでこの機会に全て点検しようと思ってな▼

【主人公】
そのような雑務!殿下におまかせするわけには参りません…!私が責任を持って務めさせて頂きますっ!▼

【ディミトリ】
いやいいんだ。主人公よりも俺の方が使っているしその目利きはできる▼
それより主人公、その言葉遣いはよしてくれと…▼
俺の事は名前で呼んでもらって構わない▼

【主人公】
そんな恐れ多いです…▼

【ディミトリ】
…いつだったかな、寝ぼけてたお前に話しかけた時、ディミトリは天然さんだね〜、と返してくれた時があったな▼

【主人公】
なっ、あっ、うぅっ!!▼
ででで殿下!それはもう忘れてくださいと申し上げたはずですっ!!▼

【ディミトリ】
そうだな…。主人公が俺に接する態度を改めたら、忘れるさ▼

【主人公】
…それはあべこべじゃ……。
………ディミトリ▼

【ディミトリ】
……!あぁ!▼
ふふ、なんだ主人公▼

【主人公】
…と、とにかく点検は私が請負います▼
ディミトリは他の事をなさって下さい▼

【ディミトリ】
………▼

【主人公】
……あの、ディミトリ?
…………て、点検は私がやるから…他の事していいよ▼

【ディミトリ】
いいや、主人公こそもう部屋に戻った方がいい。それとも何か用事でも?▼

【主人公】
意外と強情なんだから…▼
確かに本を読もうと思って起きてきたの。ディミトリが前言ってくれてたいつかは役に立つの"いつか"がこの間の実戦だったんだ▼
私、初めて役に立てた…だから嬉しくて、他にももっと頑張ろうって思ったの
誰も死なせたくないから…▼

【ディミトリ】
……主人公。お前は優しいな▼

【主人公】
そんな事…私はただ…目の前で大切な人が死ぬのをみたくないだけで…▼

【ディミトリ】
……あぁ、わかるよ。近しい者の死とは耐えがたい苦痛だ。そして死んでいった者の苦痛はそれを上回り想像を絶するだろう▼
俺も、先に殺されてしまった者達の為にも強くなりたいと思わずにはいられない▼

【主人公】
ディミトリ…。…それはダスカーの…▼

【ディミトリ】
……俺はダスカーの悲劇で全てを失った、その時の光景が今も俺の中で強く渦巻いている▼
俺は…俺だけは死ねなかったから…▼

【主人公】
……ねぇ、ディミトリは言ってたよね。生きるのもまた、地獄だと▼
私思ったんだ。ダスカーの悲劇の時、ディミトリが生きていてくれなかったら私とディミトリは出会わなかった▼
私と会った事はディミトリにとって生き地獄なのかな、って▼

【ディミトリ】
……主人公、言い方が悪かったな。そういうわけではないんだ▼

【主人公】
分かってるよディミトリ、意地悪いっちゃった▼
私が言いたいのは、ディミトリも私のとっても大事な人なんだよって事…▼
ディミトリが死んじゃったら嫌だよ、だから死ねなかったなんて言わないで▼
自分が死ねば良かった、なんて思わないで…▼

【ディミトリ】
……それは俺には許されない▼
俺は誰一人助ける事が出来なかった、そして多くの命をこの手で奪ってきたんだ▼
その者達が、赦しはしない。俺は命ある限り、罰を受けるべき存在なんだ▼

【主人公】
ディミトリ!▼

【ディミトリ】
主人公、もう遅い。勤勉なのはいいが明日にしろ▼
部屋に戻るんだ、いいな?▼

【主人公】
……ディミトリ、私は、ディミトリに生きててほしいと思う▼
そして、この生ある時をディミトリにとって幸せな日々にしてみせる…▼
例え、貴方の過去がそれを拒絶しようとも、私がそれを踏み倒して見せるから…。
ディミトリも早く寝てね、おやすみ………▼

【ディミトリ】
…………おやすみ主人公▼


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -