だから君なんて嫌い(前編)
跡部、大好きだったよ。
うざいとこもあったし、喧嘩もしたけど、
でも大好きだった。
『別れて』
だから、もうおしまい。
「…あーん?なんだ突然。ふざけてんのか?」
『ふざけてないよ。跡部にはもう飽きたの。
だから別れて』
「ふざけるな。そんな身勝手な理由でこの俺様と
別れようってのか?あーん?」
『うん』
昨日、部屋に溢れてた君からのプレゼントを捨てた。
洋服にネックレス、靴にぬいぐるみ。
何から何まで、ごみ袋につっこんだ。
懐かしくて愛しくて、涙が止まらなかった。
でも君は、あたしがどんな気持ちで別れを切り出したかなんて知らないでしょ。
「…馬鹿馬鹿しい」
『ねぇ跡部』
だから君が嫌いなの。
「理由を聞くまでは別れねぇからな」
『しつこいよ』
どうか私を見放して。
『あたしはあんたが嫌いなの』
大好き。
『だから…』
バイバイ、跡部。
その場から立ち去って、家に着いた。
「名前」
『はい』
「今度の見合いは土曜日に決まった。
しっかりな。」
『はい。分かってます、お父様』
ごめんね跡部。
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