小説 | ナノ


▼ はじめて

コンコンコンと、3回戸をノックして元帥の部屋へ入る。
「失礼いたします」


まだ部屋の主が居ないこの部屋の掃除や、準備をする。
元帥の秘書になり、1ヶ月が経とうとしている。
自分にも人にも厳しい彼は、この部屋で色々な仕事をこなす。

私は彼のことが好きだ。
勿論、異性として。


彼に近くなりたくて海軍に入ったが、ようやく念願の秘書になることができた。



そして彼は最近は現場に出ることは無く、重要な書類にサインをしていく。

だが彼の机の上は常に帰宅前には整理整頓されている。
昨日も遅くまで仕事をしていたから、今日の朝は出勤は遅いだろう…と考えていると扉が開く。


「いつも早いのォ、かずな」
「おはようございます、元帥。仕事ですから、当たり前ですよ。今コーヒーを準備しますね」


今日は珍しく定時より3時間近く早い。
急ぐ仕事があるのだろう。

少し濃いめにコーヒーを淹れる。
部屋にコーヒーの香りが広がる。




「かずな」
「はい」

名を呼ばれ、くるりと振り返る。

すぐ目の前に彼が立っていた。

「どうされましたか…ぇ、」


ひょい、と抱きかかえられ身体が宙に浮き、視界が回る。


「ワシは、」
「…は、い!」

顔を首筋に近づけられ思わずぎゅ、と力が入る。
心臓がきゅうう、と締め付けられ息をするのを忘れてしまう。





「かずな、何を付けちょる」

近づけたまま鼻をスン、と鳴らす。
もうそれだけで脳内はパニックだ。



「臭かったでしょうか!?何もつけていないですッ」

もう半べそ状態だ。
きっと臭いんだ。どうしよう、グルグル言葉が回る。



「このにおい、堪らんのォ?興奮させやがって…」
「え」


興奮?
元帥が?私に?
聞き間違い?





「かずな、嫌か」

な、何を?!!

「我慢出来んけェ、嫌なら殴れ」


そう言って彼は私をふかふかの元帥が横に寝れるほどの大きなソファへ寝かせ、私の制服を脱がし始める。


「……元帥ッ、あの」
「なんじゃァ」

彼もスーツを脱ぎ、ネクタイを緩める。
彼の頬は赤く染まり、息が荒い。





「あの、好きです」

自分でもこの気持ちは明かすつもりはなかった。
だが彼が私を犯した、とするより合意の上の行為だということにしたかった。


「ワシも…、かずなが海軍に入隊してから、気になっていた。それで特権を使った、大人げ無いがのォ」

それは彼が私を傍に置くために、秘書にしたということだ。



「サカズキさん…」
彼は私の顔を大きな両手ではさみキスをする。

彼の薄い唇が私の唇を啄むようにするキスは情熱的で、とろけそうだ。


「その顔を、今迄の男は見てきたんかのォ」
「ッは、…ん」


気持ちよくて腰がくだけている。
彼はニタリと笑みを深くする。




「言わんかィ、何人の男を経験した」


元帥…意地悪だ。





「……っは、初めて…です」


「…………?」

「初めて、です。サカズキ…元帥が」
視線を逸らす。恥ずかしすぎる。

「面倒なら仰ってください」

そっと瞳を盗み見ると、彼は口をいつものように真一文字に結んでいる。
「…かずな、ワシのような年寄りが初めてでいいのか」
「はい…貴方が貰ってくださるなら。これ以上ない幸せです………」


彼の膨張し、はちきれんばかりの主張する熱が、窮屈そうに下着から見て取れる。

私は恐る恐る手を伸ばし、固くなったソレを上から撫でると彼の引き締まった腹筋がぴくりと動くのを見た。



「煽るのォ……?」
「……こんなに、大きいのはいりますか……?」

固く、大きくそして熱っぽい。
初めて男性のソレに手を触れる。
ごくり、と生唾を飲む。

「かずな、自分の膝の裏に腕を回して足を上げろ」


こうしろ、とサカズキさんは私の手を膝裏にやる。
自分自身の秘部を、彼に見せている体勢に顔に熱が瞬時に集まる。

「1本入れるか…」
「…?」

サカズキさんは自身の指を舐める。
その口元からちろり、と覗く真っ赤な舌が扇情的だった。



指をゆっくりと秘部へと挿れ、押し進める様子が丸見えだった。ズプリと違和感があるが以外にもすんなりと入っていく。
「ん…っなんか、へ、んな感じです…」
「良い所を見つければ快感へ繋がるじゃろう」





中に入った指は時折指の腹で壁を擦り、撫で動く。




それが暫く続くと、ある一点を擦られた時に白くチカチカとスパークが走る感覚がした。


「んっ、あ?!」

一際自分の甘い声が響く。初めて聞くような、声だった。


「あ、う…ッ」
「ここか」

その一点を優しく、少し力を入れて撫で、リズミカルにトントン押しながら叩く。


「あっやだ、サカズキさんッ」

腰は徐々に浮き、お腹に響く気持ちの良い感覚が広がる。



「だめッ……ぁ、っあ、や、ん!?」

目の前が白くなり身体はぐったりとする。
これがイくということだろうか?

「かずな…」

浅く呼吸する私のお腹を撫でる。


「気持ち、いい、です………」



サカズキさんはくちゅくちゅと指を動かし、抽挿を繰り返す。
私の太腿はぴくぴくと震え、脚が自然に開いてしまう。

「ぁ、ん…ッあぁ」

「初めて、にしてはえろいのォ」

ペロリとサカズキさんは舌なめずりをして自分の反り立つモノにゴムを被せている。
「は、っ…はぁ、」

ゆっくり、ゆっくりと挿入される。
痛みはあまり感じずに圧迫感を感じるだけだった。


「動くぞ」
「は、い…」

ぐちゃぐちゃに溶けて混ざり合いそうな感覚。
もう何もわからない。


「イくっ…あ、!」
「ワシはまだじゃァ、付き合え…」
「でもっ、わたしもう…ぃ、あ!?」

ピンポイントでそこばかり突く。
もう変だ。だめ。

「……………………ッッ!!!」

「は、」




ゴムに大量に射精する。
私はもうぐったりとしてしまった。






「かずな…、無理させたのォ」



私はあっという間にふかくふかく意識を沈めた。









「ん、」

「かずな、起きたか」
「おはようございます…サカズキさん」
少ししょんぼりしたサカズキさんが目の前にいた。
「どうされたんですか…??」
「かずなを無理させた…すまない」
「大丈夫ですよ!そんな…。また、シてください」


「よし、今から…」
「もう今日は無理です……」

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