First Kiss






「コラ。ダメでしょ。いつもそんなことしてるの?」

「あ・・・すみません。いや!いつもしません!そんなことは基本的にしません!絶対です。優葉さんにしかしません!」

僕らを包んでいた、空気が一瞬止まる。


お互いがお互いの視線をそらすことはなく、お互いが心の中でいろんな思いを繰り返す。

優葉は今何を思っているの?
僕はそれが知りたいんだ。


「もう一度、キスしていいですか?」

「なに?誘惑してるの?」

「はい。優葉を誘惑してるんです。」

「だ・・・」



優葉の否定の台詞なんてまっぴらだ。
だって、否定の台詞を口に出すなら、なぜ優葉は今こんなに揺れているんだ。

僕は優葉の口をふさぐ。

ゆっくりと長く、唇を合わせて。

深く、深く優葉に入り込んでいった。



ゆっくりと唇を放した優葉は「なれてる。」とかわいらしく睨みを利かせてきた。


「なれてませんよ。」


そういった後、優葉の手を握り、ゆっくりと指をもてあそんだ後、優葉の手のひらを僕の胸へと当てる。


「生涯で二人目です。」

「初めてじゃないんだ。」

優葉が一瞬、瞳に嫉妬の色を写したのが嬉しくて、少しおどけてみる。

「じゃあ、初めてです。」

「嘘つき。」

優葉は幸せそうに笑うと、ゆっくりと僕の胸に飛び込んできた。

そんな優葉がいとおしくて、僕は優しく包み込むように優葉を抱きしめる。


でも僕は我慢できなくて、優葉にもう一度、口づけた。




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