2.time goes by





優葉と出会ったことが僕を変えたんだ。


僕らが日本で活動を始めた年。
あの時、僕はたくさんの悲しみや不安で胸が押し潰されそうだった。

『失敗したらどうしよう』
『いつまでもいつまでも見向きをされなかったらどうしよう。』

眠りに落ちる前、ふと故郷を感じた時、僕の心にいくつもの不安が広がった。




そんな時、君と出会った。


優葉は僕らの日本の会社に勤めていたんだ。
でも、数回仕事を一緒にした後、会社を辞めていた。


優葉と僕は特別な関係ではなかったし、特別な会話をしたこともなかった。


優葉の存在がそうさせたのか
優葉の僕の孤独な心がそうさせたのか


優葉は僕の硬くなった心に居座った。




あの日のこともちゃんと覚えている。
ただ廊下で雑談をしていたスタッフ。
そのスタッフの何気のない会話で優葉が会社を辞めたことを知った。

僕は思わずそのスタッフに聞き返した。
でも僕のつたない日本語のせいで、もっと聞きたいのに、聞きたいことが伝わらない。
僕は深い喪失感に包まれたんだ。





4

<< >>      Comments  menu  TOPへ
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -