2.time goes by





「じゃあ、目を閉じて、右手を胸に当てて」

カメラマンさんの指示に僕はそっと目を閉じ、胸に手を当てた。

君の顔を思い浮かべるのと比例して、耳に響くシャッターを切る音がどんどんと遠くなっていく。

優葉…

きっと優葉は今日もあの席で、いつもと変わらない表情で、時を過ごしてるんだろう。
先週の火曜とまったく同じように
そのきれいな横顔は、僕の存在に関係なく、歪まず時を過ごしているんだと思うと心臓の辺りがギュッとねじれていく。

優葉も同じように焦がれてくれたらいいのに。

でも、優葉は時計を何度も見ることはないだろう。




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