僕は透明人間さ
12.8.22

僕は、おそろしかった。
この世界が、といえばそうだし、僕自身が、といっても間違いではない。
夕焼けが空に溶けていく頃、皆が夢へと誘われる時間が刻々と近づくと、意識・精神がひっぱられ空腹を感じる。

(たべちゃだめだたべちゃだめだ)
(おなかがすいた)
(……くるしい)

感情はダイレクトに脳に伝わる。我慢は時にきかずに小指の先程度の意思だってぽきりと折れてしまう。

「僕は、夢なんて食べたくないよ」

しあわせな夢もつらい夢もへいぼんな夢も総じて悪夢にかえてしまい、夢がなくなると、また夢をつたい食事を探す。
啜り泣いたって変わらない。それでも、ままならない思いを抱えながら僕はひとりぼっちで泣いていた。


(ヨイ:ダークライ)

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -