12.8.1
自然美の白、近代美の黒。白は現代にまで魔法学が広まった世界、現代に生きるやさしいおとぎばなし。黒は進化した科学の世界、むかしばなしが神話レベルでそれが本当であったかは定かではない。
科学を捨てた未来には宗教や信仰心などの言葉が目立つ理想(神が存在するという現実)、魔法を信じなかった未来には我が手で生み出すことしかできないという真実。なんにせよ、どちらも過去が退廃しており片方に進んだのが二つの未来。
白の無罪、黒の有罪。そして、灰色の中立。
さあ裁判をはじめよう。どちらも正しくどちらも間違ってる終わらない裁判を。
夢の世界に落ちて行った少女でさえも鼻で笑ってしまうような滑稽な戦争を。
(白が本当に正しいのか?白星は負けを意味する。反して黒は本当に間違いなのか?黒星は勝ちを意味する。)
(信念に基づき行う行動とは世間一般では罪ととれる、が、しかし。無知であり大衆に流され動くことは罰ではないだろうか。そして、それこそ罪なのではなかろうか)
真実の白、理想の黒。対立するのは二つ。昔は理想だった、今は真実だ。
「理想を語るだなんて、夢を見続けている証拠でしょう?」「真実を知りたいだなんて、とても寂しい人ね」
過去と未来、中世と近代。古い考えは棄てるべき、新しい道などいらない。
どっちもどっち