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次の日。考えは結局まとまらず答えも出ないまま、わたしは学校に向かった。ブンちゃんたちは今日も朝から練習で、わたしはどこか安堵していた。


「実加おはよ!」

「、おはよう」

「ぎりぎりじゃな、」

「め、珍しいね…」

「ブンちゃんの着替えが遅かったんじゃ」

「仁王だっていつもよりもたもたしてただろぃ」

「プリ」


ばたばたと朝のホームルームを知らせるチャイムが鳴る1分前くらいにまーくんと共に教室に駆け込んできたブンちゃんは特にいつもと変わらない様子で、昨日の小塚くんとのことについてもなにも触れることなくいつも通りにガムを膨らませては授業を受ける準備を始めた。ブンちゃんと軽い言い合いをしたまーくんもいつも通り。だからわたしもいつも通り、小塚くんに言われたことやそれを受けて延々と続く思考を追いやっては授業を受ける準備をした。


「……実加、実加??」

「っ!!?」


…はずなのだがどうやらぼーっとしていたらしい。ハッとしたときには目の前にブンちゃんの端正な顔があった。いままでのわたしにとってこの距離はなんでもなかったのに、今日のわたしにとっては、あまりにも近すぎた。


「……っ」

「え」


かああっと自分でも顔が赤くなるのが分かった。そしてそんなわたしを見て、ブンちゃんもまた目を丸くする。


「実加、」

「わ、わたし保健室行ってくる!」

「へ、」

「じ、実は朝からお腹いたくて!なんだろ、生理かな!」

「えっ、ちょ、実加、」


どうしたのか聞きたげなブンちゃんの表情を見たわたしは反射的に席を立ち上がっては早口でまくしたてて、ブンちゃんの言葉も聞かずに保健室へ走り出す。生理、なんて軽々しく口走ったことへの恥ずかしさなどもちろん無い。そんなの非にならないくらいの気持ちだった。


「どうしたんじゃ」

「…実加、生理だって保健室行った」

「………ほお」

「けど実加、先週生理終わったって喜んでたんだよな」

「ブンちゃん、動揺してるのは分かったが朝からディープすぎぜよ」

「……悪ィ」






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