「…琴音」 「ワイ独りになってもうた」 「財前も高校生やねん」 「白石たちも部活やから会えへんし」 「琴音のこと話せるやつ、みんな高校生になってもうた」 白石たちが居なくなってただでさえ寂しいのに財前まで高校生になってまう。とかいうワイも中3や。琴音の精神と同じ中3。琴音も学校に行っとったら今は高2やねんな。 「琴音、そろそろ2年経つで」 「まだ、時間掛かるん?」 「あ、遅いって言いたいわけちゃうねん」 「前な、言うたやんか」 「ワイがまた白石たちと全国大会に行くときは起きててや、って」 「あれな、琴音に優勝トロフィー見せたいからやねん」 「琴音に言うてへんかったけど」 「白石たちと話してん」 『ワイ、琴音に優勝トロフィー見せたい』 『え?』 『やって、琴音応援してくれたやんか。植物人間になってまうまで応援してくれたやんか』 『金ちゃん、』 『今回はだめやったけど、ワイが高1んなったら、また同じメンバーで全国大会行って、』 『…金ちゃん……』 『優勝したんやでって、応援してくれた琴音にありがとうって、みんなで言いたいねん…』 『せやけど琴音、植物人間やんか、』 『それでも、報告したいねん!琴音がまだ植物人間のままやったら、今度は琴音の番やって言えばええねん!』 『、』 『それで琴音が起きてくれるなら、優勝したいねん…』 『金ちゃん』 『しらいし…』 『高校になったらもっと強いやつが増えんねんで』 『……?』 『金ちゃんは、どんなんが来ても負けへんくらい、強くなれるん?』 『っ、出来る!ワイやる!』 『なら、俺も金ちゃんと琴音のために頑張るで』 『………!』 『…お前らもそうやろ?』 『おん!』 「来年になったら、その時が来んねん」 「ワイ、その時のためにぎょうさん頑張るからな」 「琴音もあと1年、頑張ろうな」 幼い赤と眠り姫 「あ、けど」 「起きれへんかったからってその後怠けるのは無しやで」 「遅くなっても、ワイも白石たちも優勝おめでとうって琴音に言われたいもん」 でも出来るだけ来年に起きてほしい。やって、もし来年起きれへんかったら、その後に起きても白石たちと会うまで時間が掛かってまう。やってその後って言うたらみんな大学か社会人やもん。 |