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「おあ、」


任務から帰ってきて風呂入って報告を済ませてさて寝るかと部屋の方へ足を進めていたら間抜けな声が聞こえてきたから振り返るとそこには金造がビールの缶を片手に立っていた。…酔っ払ってる。


「ユイやんけ」

「ただいま」

「おかえり」

「あんまり飲みすぎたらあかんよ」

「せっかくやし一緒に飲ようや」

「あたし、任務から帰ってきたばっかりなんやけど」


そうしゃべるとそんなら尚更や、なんてへらへら笑って金造はあたしを自分の部屋に連れ込んだ。別に初めて入るわけじゃないから緊張なんてものはないけど、代わりにため息が出た。床には既に空になったそれがいくつも転がってる。こいつ充分飲んでる。


「…金造、こら飲みすぎやで」

「んー?」


どかっ、と床に座ってまた新しい缶を開ける金造。成人したとはいえまだ二十歳なのに今からこんなに飲んでいると先が心配になる。そんなことを思いながら促されるままに金造の正面に座った。するとほら、と缶を差し出すから受け取って一口。久し振りだからか金造と一緒だからか美味しい。


「任務、どやったん?」

「ちょっと時間かかったけどちゃんとこなしたで」

「…そか」


何処か安心したように笑う金造。なにかあったんだろうか。


「いつもより時間かかってるみたいやってお父から聞いたさかい心配しとったんや」

「、」

「やけど怪我とか無くて安心した」


赤い顔のまま、そんなことをしゃべるからあたしの顔もかあぁって金造みたいに赤くなった。…酒飲んでるせいかいつもより金造が優しいように感じる。ってゆーか優しい。心配したとか言ってくれないわけじゃないけど、心配したやろうがドアホ!って感じだから、なんというか、新鮮。


「…、金造は?ちゃんと仕事しとった?」

「………ユイ居らんさかい何回かしくじった」

「へ?」


思いがけない言葉に間抜けな声が出る。 金造はちょっと唇を尖らせて拗ねた顔をしている。それが冗談じゃないと悟ったあたしは更に顔が赤くなって、金造にゆでダコみたいだと笑われた。


の先


(、やてあたしが居らんさかいって…!)(ユイはちゃんとやってるかって思ったら無性に寂しくなった)(そ、そないなことでしくじったの!?)(そないなことってお前、)(ま、まさか八百造はんとかに言ったり、(言った)(はぁ!?(恥ずかし…!))





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