dream | ナノ



ばしゃああっ

「ぎゃああああああああ!」


なんとも色気の無い声がテニスコートに響いた。みんないつも通りに練習しとったさかいその声に一斉に目を向けるのは当たり前で。そんな中で少し手が空いてた俺が声のした方へ行けばユイが水浸しになっとった。


「くらぁ…」

「何しとんねん」

「…蛇口逆に捻った」

「………」

「ふぇっくしゅん!」

「風邪引くから早よ着替えや」


うん、と頷くユイの身体にふと目が行く。ほんまに全身ずぶ濡れやからジャージは身体に張りついて普段あんまり見えん身体のラインが今ははっきり分かる。背中なんやブラのライン浮かび上がっとるし。っちゅうかユイってやっぱり着痩せするタイプやねんな…。胸でかいし、そのくせしてウエスト細いし。にしてもほんま水も滴る良い女やんな。ずぶ濡れやのにめっちゃセクシーや。………。


「ユイ、手伝ったるわ」

「へ?なにを?」

「着替え」

「は!?」

「せやかてユイのことやから脱いだジャージ、適当に置くやろ?」

「そ、そう言ってセクハラする気満々でしょ…!」


ははは、と笑ってみせればユイは誤魔化すなと顔を赤くして怒る。別に減るもんやないしええやんか。しかも彼氏なんやし。っちゅうかあかん。めっちゃむらむらしてきた…。


「ユイ」

「なに?」

「保健室行こか」

「え゛!?」


俺の言いたいことがわかったのかユイは顔を真っ赤にする。そんなユイが逃げ出して財前とかのとこに行かないようにひょいと姫抱きにしてやる。わーわー言う口を塞いでやれば蔵のばかなんて呟きながら真っ赤になった顔を両手で隠した。なんやこのかわええ生き物。


アンダーブルー


(着替えだけのはずだったのに…)(蛇口逆に捻ったユイが悪いんやで)(どう考えても悪いのは蔵でしょ!)(ん?今度はお仕置きしてほしいん?)(遠慮します…!)







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