dream | ナノ
「……、ユイ先輩?」
「あ、リョーマくん」
「……」
「ん?どしたの?」
どしたの?じゃない。なんで、ユイ先輩がポニーテールしてんの?こんなこと、一回も無かったのに。しかもすごい似合ってるし。首を傾げるユイ先輩が可愛くて、顔が赤くなるのが分かった。
「別に、なんでもないッス」
「……そう?」
「ん。」
「あっ、ねぇねぇ!久しぶりにポニーテールしたんだけど、変じゃない?」
「全然」
むしろ、似合いすぎて困る。いつも降ろしててそれもいいな、なんて思ってたんだけど。ポニーテール、可愛すぎ。
「良かった、リョーマくんがそう言ってくれるなら変じゃないね」
「なんでッスか?」
「え、だってリョーマくんはポニーテール似合う子が好きなんでしょ?」
「……桃先輩から聞いたんスか」
「え?あ、や、これは、その、」
桃先輩……、余計なこと言わなくて良いのに。
「ていうか、なんでポニーテールしたんスか」
「……えっと」
きみに愛されたくて、
(ユイ先輩、)(な、なに?)(ポニーテールすごい可愛い)(え!?リョ、リョーマくん!?)(言われたかったんでしょ?)(っ、)(…先輩、それ、俺の前だけでしてよね)(え?なんで……?)(ユイ先輩を盗られたくないから)(…!)(ってことで、先輩は俺のだから)(え、あ、うん!)