dream | ナノ
一応、これは今に始まったことじゃない。
「ユウジ」
「んー」
「明日なんか予定ある?」
「んー」
「暇なら遊びに行きたいんだけど、」
「んー」
小道具作りに集中しちゃったユウジはあたしが話し掛けても適当な返事だけする。久しぶりの連休で、せっかくユウジと一緒に居る時間が出来てやった!って思ったのに。これじゃ、意味ないじゃん。楽しみにしてたのはあたしだけなのか。
「……ユウジ」
「んー」
「……だいきらい」
「んー……、……は?」
そう思ったら少しむかついて腹いせ(にはなりきらないけど)だいきらい、って言ってやったらやっと聞いてくれた。そしてそこまで驚いたのか作りかけの小道具がユウジの手から落ちた。
「今、なんて言うた?」
「だいきらい」
「なんでや!!」
「小道具ばっか作ってるから」
「……」
「あたしがさっきまで何ていってたか、分かる?」
罰の悪そうな顔をしたユウジにあたしは抱きついて言う。
「明日だいすきなユウジと遊びに行きたいの」
って言っただけなのに、なんか顔が赤くなった。
構ってほしいの、分かってよ
(お、おま、)(ねー、遊びたいー)(…ユイの遊びに行きたいとこってどこや)(ユウジとならどこでも楽しめる)(なら家でえぇやん)(やだ、ユウジ構ってくれないから)(そないなこと言われても、)(それくらい授業中に作ったげるのにー)(ユイが追試になるんは嫌や)(あたしはユウジが構ってくれないのがやだ)