dream | ナノ



「そろそろテストだよね―…」


ユイは憂鬱そうにシャーペンを片手に言った。今は部活中だが、突然の夕立に部員たちが一時的に部室に集まっている。


「…ユイ先輩、勉強してるんすか?」

「光、さらっと酷いこと言わないで」

「せやで財前。ユイやって、白石のお仕置きが嫌やって頑張っとるで?」


謙也がその言葉に光は呆れたようにため息を吐いた。


「謙也くん、ユイ先輩は淫乱でMやからお仕置きは嫌やないんすよ」


光の言葉に謙也とユイは驚き、顔を赤くする。


「な、ななな…!?」

「ちょ、ちょっと光!?」

「部長が言うてました」

「え?く、蔵ノ介!」


慌てて蔵ノ介を呼べば、ん―?とこちらを向いた。


「な、なに変なこと光に言ってるの?!あたし、淫乱でもなければMでもないから!お仕置きだって嫌いだもん!」


必死に抗議すると蔵ノ介は悪戯な笑みを浮かべてユイに言った。


「お仕置きのとき、えぇ声で啼いとんのに?」

「ち、ちがうもん…っ!」

「…ユイ、その顔むっちゃそそるわ」


真っ赤になったのも気にせずユイの顎を掬う蔵ノ介。とそこで見慣れないことに耐えきれなくなったのか、へたれな謙也がふらっと倒れた。


「え…、え!?謙也!?」

「ウブっすね」

「さすが浪速のヘタレスターやな」





(あ、雨止んどる)(ほんまや、部活再開やな)(え…、謙也は?)(どっかに寝かせとき)(う、うん)







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