dream | ナノ
「あたし謙也たちが羨ましい」
「…は?」
ユイは突然そんなことを言った。
「な、なんで羨ましいん?」
「だってみんな痩せやすいっていうかさ、なんか細いじゃん」
「………、」
そういえば最近太ったみたいなん言うてたからそれを気にしとるんやろか。ユイは拗ねた顔をしながら着替え中の俺を見る。ついでに現在どういう状況であるかというと今日は部活が急遽オフになったさかい誰も居らん俺の家にユイが来た。そんで今日体育やったし少し汗かいたからっちゅうことで俺は着替えとってユイはベッドの上でちょこんと体育座りみたいな感じで座っとる。しかも布団被って。更に言うと本人は気付いてないやろうけどぱんつ丸見えやねん…!ボーダーとかかわええ…!あかん煽られてる気しかせぇへん、っちゅうかむっちゃムラムラしてくるわ。…って俺も白石のこと言うてられへんな。けどしゃあないやんか、好きな子がぱんつ見えるのに気付かんとこない格好しとるんやし。健全な男子なら欲情してもおかしくないっちゅー話や!
「っちゅうかそう言うけど」
「うん?」
「この時期女の子って大人ん身体になってくやん」
「、」
「ほら、生理になるし……む、胸、とかもでかなってくるし」
「う、うん」
「そういうことがあるからちょお太りやすくなるかもしれへんけど、」
「うん」
「ユイの場合もともと痩せすぎやからもうちょい太ってもええと思うで」
「…え?」
「いつも、その、思うんやけどな?」
「うん…?」
「肉無さすぎると思うねん。せやから胸も大きならんって思うねん」
ぼすん
「え」
俺は上半身裸んままユイに近づく。首を傾げていたユイやったけど俺が押し倒して上に跨ると顔を赤く染めた。ほんまにかわええわ。
「け、けんや…」
「今のままでも充分かわええ。それはほんまのことなんやけど」
「え、えっと」
「もっと胸大きくしたる。なんなら親父にそういうの聞いといてもええし」
「や、あの、」
「肉無いからこのまま胸が大きくなったらめっちゃスタイル良くなるはずやねん」
「、」
「そしたらユイが似合わないって悩んどった服も納得して着れるんやない?」
「で、でもでも」
「俺、あの服また着てほしいけどユイが納得してへんのに無理に着てもらいたくないし」
「謙也、」
「ん?」
一方的にべらべら喋っとると顔をより赤く染めとるユイは俺の腕を控えめに掴んだ。どないしたん?と聞くとユイは目を泳がせたあとに言った。
「あの、これってそのままシちゃう感じ?」
「なんや、ユイもシたかったん?」
「いやいやいやそういうわけじゃ、」
「隠さんでええって、俺かてそのつもりやし」
「え」
「やってさっきから見えとるしなんや煽られとるようにしか思えんねん」
「な、なにが、」
「ボーダーのぱんつ」
「ばばばばか!言ってよ!」
恥ずかしい!とユイは布団を勢い良く上から被った。全部煽るだけって分かっとんのかなユイ。
微熱の疾走
(っちゅうかスパッツ履いてへんのん?)(きょ、今日はたまたま忘れたの!)(ほな俺んち来る時履かんといて)(け、謙也のえっち!)(やってユイ、下着もかわええんやもん)