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「ユーウージ!」


今日は愛しのユウジの誕生日。だからプレゼントとあと小春と一緒に作ったケーキを持ってユウジの家に来たのに


「…なんや、お前か」


ってユウジに顔を見るなり言われた。なんや、ってなに。あたし仮にも君の彼女ですけど。ケーキとプレゼント持って君の誕生日お祝いにわざわざ来たんですけど。なにそのうっすいつまんない反応。そう言ってやったらハァ、とため息吐かれた。え、なに、ほんとになんなの。


「今日、小春と会う約束しててん」

「………」

「せやのに急用入ったて言われて会えなくなってん…」


肩を落として落ち込むユウジ。そう言えば昨日一緒にケーキ作ったときにユウジによろしくって言われたのはそういうことだったのかな。


「あんまり落ち込まないの!」

「せやかて…」

「このケーキ、小春も一緒に作ってくれたんだけど」

「は、」

「昨日ね、小春がユウジによろしくって言ってたの」

「………、」

「だから、その分のお詫びも込めて一緒に作ろうって誘ってくれたのかも」


だって去年既にあたしユウジの彼女だったけどそんなこと言われなかったし。あたしの言葉を聞くとユウジはきらきらした目をし始めた。っていうかさっきから思ってたんだけど、あたしは眼中に無いのか。


「小春ぅう!」


といつものように叫んでケーキに抱きつこうとするユウジ。あたしはひょい、とケーキを上に持ち上げて回避した(あ、ユウジこけた)。


「なにすんねん!」

「小春小春言うけどね、あたしのことちょっと放置しすぎじゃないの?」

「せやかて、」

「あたしだってユウジのこと好きだし今日は目一杯お祝いしてあげたくて来たんだから阿呆!」

「!」


つい強く言ってしまった。と言った後に気付いたけどでも本当のことだし良いよね。ユウジは少し目を丸くして零した。


「なんや、お前でも嫉妬すんねんな」

「、」


思わず顔が赤くなった。だって、うん、なんて頷けないし。でも本当のことだし否定なんて出来ない。どういう反応をすればいいか分からなくて、


「うるさい!死なすど馬鹿氏!」


って叫んでた。


素直になれない


(…お前に嫉妬されても全然嬉しない)(うるさい!)(………)(なに)(嘘に決まっとるやろ阿呆)(な、なにそれ!)(っちゅうかお前おめでとうの一言も無いんかい)(お、おめでとう…)(…おう)







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