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ははっ、と笑う謙也の笑顔があたしは一番好き。


「…って今日改めて思った」

「え」

「なんか、好き」


そんな謙也にぎゅって正面から抱きつきながら言ったら謙也は吃り気味におおきにって言って少し控えめにあたしを抱き締め返した。謙也とあたしは所謂カップルであり、今日は部活が無いからと謙也の家でのんびりしてる。ついでに謙也の笑顔が一番好きだと改めて思ったのは今日、蔵と楽しそうに話してるのを見たとき。すごいきらきらしてて、本当に太陽みたいにきらきらしてた。


「なんで謙也ってそんなきらきらした笑顔なの」

「なんで、って言われてもそないにきらきらしとるなんや分からへんのやけど」

「分かってたらきもちわるーい」

「どんだけナルシストやって話やもんな」


ははっ、と笑う。その笑顔にきゅん、ってしてそれからどきどきといつもより心臓が早く動き始めた。心臓が動く回数って決まってるのに、これじゃあ、あたし早死にしちゃう。


「…ばか」

「へ?」

「早死にしちゃうよ、」

「え?いきなり何言い出すん」


今度はあたふたし始める謙也。その光景が可愛くてあたしはふ、と小さく笑った。


「だって謙也の笑顔見たらどきどきして心臓が早く動くんだもん」


ちょっと拗ねたように言って見せれば謙也は一瞬きょとんと目を丸くして、それから少し頬を赤く染めたまま優しく笑った。


「そんなん、俺かて早死にするわ」

「え?」


よく分からなくて今度はあたしが目を丸くする。すると謙也はあたしの手をとってそのまま謙也の心臓のとこに手を当てさせる。どきどき、あたしと同じくらいの早さで謙也の心臓は動いてた。


「ユイと居るだけで俺の心臓早く動いてまうねん」

「………、」

「せやから俺も早死にするわ」


謙也は太陽みたいに、それ以上にきらきらした笑顔で言う。あたしもそれにつられて笑った。





(死ぬときもずっと一緒に居たいな)(ユイと一緒なら天国行けるわ)(その時も一緒に暮らそうね)(おん、もし生まれ変わるとしても一緒になれたらええな)(うんっ)







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