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たまに、というよりしょっちゅう思うことがある。リョーマくんは本当に良いのかな、って。


「何がだよ」

「…相手があたしで良いのかな、って」

「はぁ?」


何言ってんだ、と言いたげに桃が顔を歪める。まぁ、あたしがリョーマくんを好きでリョーマくんもあたしを好きだから今現在付き合っているわけなんだ。それは紛れもない事実。でもさ、あたしは2年でリョーマくんは1年じゃない。だから普段の学校生活じゃなかなか会わないわけで。しかも毎日会える理由っていうのかな、そんな部活もリョーマくんよりあたしが先に引退して学校だってあたしの方が先に卒業して、リョーマくんを置いてきぼりにしちゃうんだよ。そしたら休みの日しかちゃんと会えないし、って言ってもリョーマくんは変わらず部活があるからその休みの日の中で会える日って言ったらまた限られちゃう。結局あたしとリョーマくんはどんどん会えなくなっていっちゃうんだよ。


「いつにも増してネガティブだな」

「だって、」


同い年のカップルとか見ると、嫌でも思っちゃうんだもん。リョーマくんはあたしなんかより同い年の子と付き合った方がたくさん会えるし幸せなんじゃないかなって。


「…本当に、あたしで良かったのかな」

「じゃあ俺が先輩以外の人と付き合うって言ったら先輩は笑って良いよ、って言うの?」

「言えるわけないよ、たくさん不安になるけどでもやっぱりリョーマくんの隣に居たいし………って、え?」

「それなら悩む必要なんて無いんじゃないの」

「…え、リョーマくん!?」


桃の声じゃない、と思って顔を上げたらそこにはリョーマくんの姿。あ、あれれ?今まであたしの向かいに座ってたのは桃じゃ…?


「先輩、話すのに夢中過ぎだから」

「え、あ、ご、ごめん」

「別に、先輩が何に悩んでるか分かったから良いけど」

「………、」

「…俺も、何回も同じこと考えたから」

「え?」

「本当に俺で良かったのか、って。同じ学年の方が先輩は幸せなんじゃないかって、俺も考えた」


でも先輩が俺を好きでいてくれるなら良いや、って思ってる。リョーマくんは優しく微笑みながら言った。…なんだ、リョーマくんも同じこと考えてたんだ。それに、そんなふうに思ってくれてたなんて。リョーマくんは、お互いに好きだから学年とかそういうの気にしなくていいと思う、と少し強く言った。そうだね、あたしはリョーマくんが好きでリョーマくんもあたしを好き。それでいいんだ。





(…で、桃は?)(どっか行くって言ってた)(そっか、なんか追い出しちゃったみたいで申し訳ないかも)(良いんじゃないの、たまには)(そうかな?)((…学年とか気にしなくていいと思う、なんて言ったけど桃先輩のこと、やっぱり羨ましくなる))







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