この手を離しちゃいけない気がした。この牢屋のような狭い世界に住んでいた彼女はとても綺麗で、だからこそ僕は彼女を守ってあげなければならないと思った。僕と彼女は周りから見れば他人同士で、どうしてそこまでするんだ、どうして危ないことをするんだと言われるだろう。でも僕は彼女を助けるって―――守るって決めたんだ。初めて見る外の世界に心から楽しそうに笑う彼女なんて、あそこにいたら一生見れなかっただろう。彼女の笑顔の為なら、僕はどんな敵にも恐れずに立ち向かうことが出来る。
だから、僕は繋いだこの手を離さない。