dear partner 09




エントランスを抜けると、広い応接間があった。
そこに仁王立ちでたっている彼が、跡部景吾だ、と柳先輩が教えてくれた。

「遅えじゃねぇか!幸村!」

「時間通りに到着してるだろう?じゃ、今日からよろしくね?」

跡部先輩の文句をさらりと流して、精ちゃんはにこりと笑った。
それに、あぁ、と答える跡部先輩は、態度はともかく内面はすごく素直な人なんだろう。

「…その女がお前らのマネージャー、か?」

「女じゃなくて、女の子、ね?僕の幼馴染の二郭 伊鈴ちゃん。
可愛いし、可愛いし、気がきくし、家庭的だし、可愛いし本当に可愛い良い子なんだ」

「…そうか」

精ちゃん、跡部先輩どころか立海のほかのメンバーも引いてるよ…。

「ところで、氷帝の他のレギュラーたちは?」

「もう練習を始めてる。
…マネージャーも一緒だ。俺の従姉になるんだが、他の女とは違うから安心しろ」

「…跡部がそういうなら大丈夫だんだろうね」

その二人の言葉に引っかかりを覚えたけど、なにか入れない空気を感じて口を出すことはしなかった。
ただ、その氷帝のマネージャーの人と仲良くなれるのが少し不安だ。
僕は基本的に女の子の友達は少ないから。





「おい!お前ら集合しろ!!立海の連中が到着した!」

跡部先輩の一声で集合した氷帝テニス部員の人は、立海に負けないくらい派手だった。
でもその中で女の人はいないようだ。

「おい、あいつはどうした?」

「あいつて…マネージャーかいな?」

眼鏡の人がしらない、というように肩をすくめると跡部先輩は舌打ちをして回りを見回した。

「あの馬鹿女…」

「誰が馬鹿だ!」

べちゃっ、とぬれたタオルが跡部先輩の顔に直撃する。
タオルが向かってきたその先には、誰もが認めるだろう美女が立っていた。

ただ、その姿は僕が見慣れていたあの人と同じだった。


「てめっ!なにすんだ!?」

「俺が!わざわざ!汗臭いタオルを洗ってきてやってるのに…!」

ぱっちりした少しつり上がった瞳に、長い睫が揺れる。
細い体は、以前と違い筋肉質ではないけれど、程よくついた筋肉が美しい。
ふわふわと揺れる黒髪は以前と変わらない長さだった。

僕が一年生、二年生の時に一緒にいてくれた、大好きな人。

「く、くち、先輩?」

小さく呟いた僕の声は、その人に聞こえたようで。
勢い良く振り返ったその瞳に映る僕は、まるで泣きそうに歪んでいた。




「い…すけ?」



(次の瞬間には、僕は彼女の腕の中だった)





 
    




やっとrkrnキャラ出せた…




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