dear partner 08
 



合宿さえなければ、きり丸達と再会できたのに。
そう思うと、夏の暑さの不快感も相俟って、余計に苛立ってくる。
まあ、そんな心情はおくびにも出さないけれど。

そう、僕は今立海テニス部の合宿所へ向かっているバスの中にいる。
結局、合宿所は精ちゃんが用意したらしく、切原君はもちろん弦ちゃんでさえ知らないようだ。
都内、とは聞いたけど。

バスの中は、はっきり言ってカオスだった。
一番前に座っている精ちゃん、僕、弦ちゃんは静かに座っているのだが…
後ろの切原君たちは、なんというか騒がしいというか…うるさいというか。
これなら、は組みのみんなに負けないんじゃないだろうか?
そんな部員たちを乗せ、バスは(精ちゃんがいうには)順調に目的地へ向かっているようだった。



「…ここ?」

ついたのは、豪邸、とうか城のような建物。遠めで見ると、まるで…ラブホテルのような…

「そ、僕の知り合い?が持ってる建物なんだ。今回頼んでみたら快く貸してくれて」

「その、知り合いのあとのクエスチョンってなに?」

「え?だって知り合いだと思いたくないから」

知り合いと思いたくない人から借りたのか。

「ぶちょー…それって、まさか…」

「間違いなく、跡部だろうな」

切原君の問いは、精ちゃんではなく柳先輩が答えてくれた。
あとべさんという人に、精ちゃんがなんらかの方法で借りたんだろう。

…その方法は、精ちゃんの笑顔を見る限り聞かないほうが懸命そうだ。

「じゃ、みんな部屋に荷物を置いてから中央ホールに集合ね。
部屋割りと地図は今から配るから。俺の独断だけど、変更はしないからね」

そういってA3サイズの地図と、A4の紙に書いた部屋割りがみんなに配られる。
僕は一応女の子だし、一人部屋だろうと思ってみた紙には、僕の名前はのってなかった。

「精ちゃん、これ…私の部屋が書いてないよ?」

「うん、伊鈴ちゃんは女の子だから。この野獣共の餌食にならないようにマネージャーはマネージャーで別の階に部屋があるんだ」

「幸村、野獣はひどいぜよ」

「仁王、お前が一番あぶないんだから、合宿中、絶対に伊鈴ちゃんに近づくなよ?
ほら、伊鈴ちゃんも女の子同士のほうがなにかといいでしょ?」

伊鈴ちゃんは人見知りしないから大丈夫だよね?そういって笑う精ちゃんの言葉にすごく引っかかりを覚えるんだけど…

「一人部屋でしょ?マネージャーって私一人なんだよね?」




「?あれ?言ってなかったっけ?」

「え?」

「今回は氷帝との合同合宿なんだよ」

「「「「ええええ――――――!?」」」」

広いエントランスに、驚きの声が響き渡った。
どうやらテニス部員にも、精ちゃんは伝えてなかったらしい。








(っていうか、氷帝学園ってどこの中学なんだ…)







 
    









またrkrnの子達まで行かなかった…次こそは!

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