期間限定聖女 「ミ〜ヨv バ〜ンビv」 ミヨに来週の運勢を占ってもらっていたら、先程ケータイが鳴って席を外していたカレンさんがご機嫌で戻ってきた。 「ねぇねぇ、二人とも今度の土曜日ウチに泊まりに来ない?」 * * * 約束の土曜日。 私とミヨは一緒にカレンさんの家にお泊まりに来た。 しばらく、おやつを食べながらガールズトークに花を咲かせていたら唐突に話題を変えたカレンさん。 どこからともなく、取り出した何かを私たちに差し出した。 「あのさ〜、ちょっとこれを見てほしいんだけど…」 カレンさんに差し出されたのは一本のゲームソフト。 「これって、たしか戦国武将が沢山の敵を倒してくやつだよね?」 「バンビ、詳しい」 「テレビのCMで流れてるの何度か見たの」 「もう、さすがバンビ!! 話が早いんだからvv」 顔を輝かせたカレンさんが次に、取り出してきたたのは一冊の不厚めの本。一見すると攻略本みたい。 そして、パラパラとページを捲り、あるページで手を止めた。 「ほら、よく見て…このキャラ。バンビによく似てるでしょ?」 「そうかなぁ?」 「よく似てる。大人しそうに見えて、少しお転婆そうな感じがバンビと一緒」 「でしょ! ミヨもそう思うでしょ!? だったら決まり!! 二人ともちょっと待ってて!!」 テンションが高まったらしい、カレンさんはそう言うなり、鼻息荒く部屋を出て行った。 ―ガラシャ…私似てるかな?― * * * 「や〜んvvv ホント、可愛いんだから!!」 部屋を出て、ものの数秒で戻ってきたカレンさん。 「なんで、私まで……」 「ミヨにはそのキャラのコスプレ似合うと思ったから用意しておいたの!! ミヨ御前って呼んでいい?」「やめて」 「でも、ミヨ凄く似合ってるよ?」 「…バンビまで……///」 私とミヨは、カレンさんが調達して来たというコスプレ衣装に身を包まれていた。 そして、部屋に響くのはシャッター音。 立派な一眼レフカメラはカレンさんが仕事場から拝借してきたのだろうか……。 カレンさんプロデュースの、かなり本格的な撮影会は深夜まで続いた。 * * * 「いたいた。花椿さん、ミ〜ヨちゃん」 「…ん?」 「桜井弟…ちゃんって言うな」 「美奈子に聞いたんだけどさ、可愛い服着て撮影会したんでしょ? 俺にも美奈子の写真頂戴。飴ちゃん5個と交換でどう?」 「ダメっ!!」 「え〜」 「あんた絶対、バンビの写真使っていかがわしいことする気でしょ!!」 「……しないよ」 カチカチカチカチ… 「「?」」 「……あっ、もしもし美奈子?」 『うん。琉夏くん、どうしたの? 突然』 ――――――― 「美奈子からのお言葉『写真欲しかったら、カレンさんに貰って♪』だって」 「バンビに電話するなんて…桜井弟、ズルい」 「ハァ…しかたない。バンビに免じて、好きなの一枚だけあげる。い・ち・ま・い、だけだからね!!」 「やった♪」 「あっ、飴はいいから」 ――――――― 「あ〜! 一番良いの持ってかれた〜!! 焼き増ししないとなぁ……ホント、バンビはルカ君に甘いんだから」 「でも、バンビのそういう所、好き」 「そうなのよね〜。可愛いのよねvvv それなのに、アタシの可愛いバンビをあの男は〜!!」 「カレン、大きな声出さないで。みんなこっち見てる」 * * * 学校で見ると、他の奴らにも美奈子の写真を見られる可能性があるから、家に帰るまでどうにか我慢。俺エライ!! 写真の中の美奈子は短いプリーツのミニスカート、その下にはカボチャパンツ?みたいなふんわりしたものを穿いている。 帯を締めてるから、細いウエストが一段と強調されて、逆に胸やお尻のラインは強調されていた。 「女同士なら、こんな美奈子を見放題なんだ…いいなぁ」 約束を忘れて、つい悪い子な右手が下半身に伸びていた。 * * * 「5分の遅刻だけど、走って来たからセーフにしてあげる」 「ふふふ。ありがとう琉夏くん。遅れてゴメンネ?」 せっかくのデートだったのに遅刻するなんて…私のバカ!! 「何もなかったならいいんだ。なんかあったんじゃないかって、心配したから」 「お家の鍵が見つからなくてね。部屋にあると思って探してたんだけど、玄関に置いてあったの」 「そうなんだ」 「今日は夜までお母さんもお父さんもいないから。戸締まりしないと…」 言い訳に聞こえるかもしれない理由を話しながら、私と琉夏くんは手を繋いで本日のデートプランである映画館に向かった。 * * * 「ハァ、面白かった!」 「怖かったよ〜」 「とくに鏡見たら髪の長い女がニヤリと笑ったとこが最高だった!! オマエ、怖がってこっちに寄って来るからムラムラしちゃった」 「もう。今日、変な夢見そう…」 意図しなくても、あの気持ちの悪い女の人が脳裏を過ぎる…。 「琉夏くん。この後なんだけど…家に来ない?」 「あっ、1人じゃ怖い? いいよ。ヒーローが一緒にいてあげる」 * * * 時計を見れば、午後3時過ぎ。 琉夏くんが一緒にいてくれるおかげで今はちっとも怖くない。 「そうそう。この前のコスプレお泊まり会の話、聞かせてよ?」 「別に服着て、写真撮っただけだよ?」 「だってさ、オマエが参加してるなら俺も参加したかったんだ」 琉夏くんお得意のおねだり攻撃。これ無意識なのかな? それとも…わかってて、やってるのかな? 「オマエのコスプレ、生で見たかったし…あの時の衣装、貰ったんでしょ? 俺、知ってるよ。花椿さんと宇賀神さんが話してるの聞いたんだ」 「〜〜〜〜///」 * * * 「美奈子、着替え終わった?」 「うん…」 私の合図に部屋の前で待機してた琉夏くんが、ガチャリとドアを開けて部屋に入ってきた。 私って本当に琉夏くんのお願いに弱いな…。 「うわぁ……美奈子、すげーカワイイ。お人形さんみたい!!」 「…そう?///」 「うん! ほら、こっちおいで」 手招きされて、一緒にベッドへ座る。 琉夏くんは衣装の後ろについたマントを裏返してみたり、帯をなぞってみたり…色々と衣装を調べてるみたい。 「ちょっと立ってみて? で、クルッて回ってみて」 琉夏くんに言われた通りにクルッと回れば、琉夏くんが歓声を上げた。 「かわいすぎるv ハイ、ここ戻って」 「キャッ!!」 突然、抱きしめられた。 「琉夏くん!? ちょっ…///」 「ゴメン、なんかさ…ムラムラしちゃったみたい」 そう言って、琉夏くんの手はスカートの中に侵入していく… 「ねぇ、待って! 服汚れちゃう!!」 「汚れたら洗えばいいんだ。それに、オマエが貰ったものなんだし、洗えるなら汚しちゃいけない理由はないんだ」 琉夏くん、それは屁理屈だよ!! 私の反論虚しく、スカートの中に穿いていたショートパンツは脱がされ、上半身は前だけ開かれてしまった。 「せっかくコスプレしてるんだから、脱がしたらもったいないじゃん!!」 * * * 「美奈子、気持ちいい? ここ、こんなになってる…俺の喰い千切られそう///」 「いゃぁぁぁ/// …奥、そんなに叩いちゃ、ダメ///」 「あぁ、もっと強くして欲しいんだ? 本当にオマエはカワイイね」 * * * 「はぁ、コスプレしてやるのも刺激的でいいな」 「良くないよ…やっぱり汚れちゃったし。クリーニング出すわけにも行かないし…」 「なんで?」 「……ベッタリ付いてるから」 「あっ、精子?」 パシっ!! 琉夏くんの腕を叩いておいた。 「痛っ!! でも、美奈子に殴られるの悪くないかも…」 困ったことに琉夏くんはなんだか色々と目覚めたようです。 期間限定聖女 (美奈子、今日もコスプレしてやろっか?) (また!?) END 〜あとがき〜 21000hit・キリ番を踏まれたカナ様に捧げます。 リクエスト本当にありがとうございました!! そして、大変お待たせしましたm(_ _)m なんか、グダグダ…リクエストに応えられていない気がしているのです。 返品可能ですので、気に入らなかったら、遠慮なく言ってくださいね! 書き直します!! 里夏
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