*捧げ物【文】* | ナノ



優越感のプロデュース


スポーティーな服装を好む俺に合わせて美奈子がスポーティーな服を選んで 着てくれていることには、いつの間にか気付いていた。好みという贔屓目もあるがスゲー似合ってると思う。
でも、美奈子が本当はヒラヒラしたスカートとか女らしい服が好きなのも知ってる。何度かそういう服を着てきては俺の反応を伺ってるから……だから、俺はその度にあまり良い反応をしないようにしてる。

最初は単純に好みじゃなかったから嫌な気持ちが顔と態度に出てた。今は、そういう顔をすれば美奈子が次からは女っぽい格好をやめるから“わざと”嫌な顔を作る。

ヒラヒラした女っぽい格好はほんわかした美奈子によく似合う。そういう格好でいるときは、いつも以上にキラキラしているから直視しにくい。それなのに街に出れば美奈子をジロジロと盗み見てる男が多くて嫌になるのが正直なところだった。中には無遠慮に全身を舐めるように見る奴もいる。俺がちょっと強く目線を向ければ、慌てて美奈子から目線を逸らす男を見るのは案外気持ちが良いもんだ。

自分でも腹の中が真っ暗なのは理解している。
俺は他の男除けに美奈子の服装を縛ってるんだ。


プロデュー


クーラーを付けるには肌寒い春の終わりから初夏の曖昧な季節の日曜日。
今日の予定は柔道でもデートでもない。俺の家で試験に向けて美奈子と勉強会だった。

(違うことがしたい……)

試験勉強を始めて一時間は真面目に勉強をしてた。徐々に集中力が低下して、今はノートを見るのも嫌気がさして美奈子を盗み見ていた。

今日は時々見る女っぽい服だ。俺の家に来るからって両親に気を使ってきたんだろう。生憎、親は出掛けていて夜まで帰ってこないけど……。

時々、耳に髪をかける仕草が好きだ。
少しだけ伸びた髪を耳にかける姿はなんかエロい。

そう思ったら下半身が疼き出した。

美奈子は気付いてないんだと思うけど、さっきから俯く度に襟元からブラジャーが見えている。

「嵐くん……ちゃんと勉強してる? もしかして、疲れちゃった?」

顔を上げて真っ直ぐに俺を見つめる視線、ちょっと冗談めいた口調、小首を傾げる仕草、二人だけしかいない家……我慢なんてできる訳がなかった。

勢いよく立ち上がった俺を見て美奈子はビックリしてる。
目を丸くしたままの美奈子の隣に腰を下ろして、逃げる隙を与える間もなく抱き寄せて美奈子の口を塞いだ。
開いた唇の隙間から舌を入れてやれば、ちゃんと応じてくれる。厚みのある舌で小さな舌を絡めて、吸って、好き勝手に蹂躙していたら苦情があるのか美奈子が俺の胸を叩くから、少しだけ解放してみる。

「はぁはぁっ……/// ……あ、嵐くん、勉強しないと!!」
「そういうエロい格好してるおまえが悪い」
「なにそれ!?」

小柄な美奈子を上から抑え込むようにキスの続きをして、どちらのものかわからなくなった唾液を流し込む。
苦しさから涙目で唾液を口の端から零す美奈子を見て、俺のソコは完全に勃起した。大丈夫だ……美奈子だってその気になってる。力の抜けた美奈子のスカートの中に指を這わせれば下着は既に湿っていた。

「ヤろう……治まりそうにない……」

* * *

床に寝かせた美奈子の腰を跨ぐようにして服を捲り上げてすぐにブラジャーに手をかける。ブラジャーのホックを外すのも最近は随分とスムーズにできるようになった。

ブラジャーを上にずらしたら乳房を両手で揉んで柔らかさを確かめる。乳の柔らかさとは反対に手のひらに当たる乳首は硬くなってきた。身をかがめて乳首を口に含めば美奈子は簡単に喘ぎ出した。
そのまま、なにも出ない乳首を赤ん坊みたいに吸うとたまらないと言うように脚をモジモジと動かすのを合図に、手を秘部に持って行く。

穿いたままの下着を横にずらしてトロトロの愛液を零す膣にいきなり指を二本入れたら、そのまま壁を刺激しながら激しく出し入れする。

「っ/// そこ、そこ……/// もっと強く、ン……してぇ///」

気持ちよさに顔を真っ赤にしながら喘ぐ美奈子を見ながら、片手で痛いほど反り返った自分のモノを取り出した。
先走りを溢れさせた自身はガチガチに硬くなっていて扱く必要はなさそうだ。

「ハァ……美奈子……もう挿れるから、痛くしたらごめん 」
「うん/// だいじょぶ……ぁッ///」

美奈子の膝裏に手を入れて秘部を上に向かせ、ズプリと一気に挿入した。
亀頭を最奥にぶつけると美奈子の体は悦ぶから、そのまま子宮口を押し潰すような勢いで出し入れを繰り返せば、抜き差しの度に結合部からはジュポジュポと水音が鼓膜に届く。

「あ〜っ!! 大きいの、来ちゃう/// 奥に、当たっ……らめぇ///」

舌っ足らずになるのはイく前の無意識な合図。
ひっきりなしに快楽を訴える美奈子が息を飲み、締め付けがキツくなった。腰が跳ねて俺の腰に絡み付いてた脚も力なく床に投げ出すように落ちる。

絶頂を迎えて荒く呼吸する美奈子を見る……捲れ上がったヒラヒラしたスカート、穿いたままのリボンがついた水色のパンツはグチョグチョに濡れたまま横にずらされて、その下で俺のデカい性器を咥え込んでいた。

その姿があまりに淫らで、無意識に唾を飲む。まだ達してない俺自身が更に膨らむから、その細い腰を掴んで再び腰を振り出した。

「ん/// あ、ダメ!! まだ、体が……ビクビクって……ヤァッ///」

美奈子を無視して腰を振るスピードを速めれば、生殖本能からか美奈子は精子を強請るように自分から脚を大きく開いた。腰を回すように美奈子の気持ちいい場所に、俺も気持ちがいいから亀頭をちょっと強めに擦り付ける。すぐに先端の穴がゾワゾワした。

「あぁっ! も、出すから!!」

擦り付けるのを止めて射精するために腰を勢い良く振る動きに変える。
無言で頷いてくれた美奈子にキスをしながら最奥に射精した。

自身を膣から抜いたら、すぐに美奈子の脚からグチャグチャになった下着とスカートを脱がせて、そのまま閉じれないように脚を手で押さえた。すると、すぐに目的の光景が目に映る……割れ目に沿って流れる粘度の高いドロリとした白い液体。その光景のエロさと征服欲でまた興奮した。

今度は全裸に剥いた美奈子の背後から側臥位で挿入する。
挿入されている少し上にある突起はとっくに包皮から剥けていて、そこを指で擦ったり引っ張ったりされている美奈子はさっきからイきっぱなし。膣は動かし辛いほどキツく締まり、俺の出した精子とは違う濃くて白く濁った愛液がピストンの度に膣から漏れ出ている。
後片付けが面倒だと頭ではわかっていても、美奈子の膣から溢れ出る精子と愛液のグチュグチュグチャグチャという水音は自分たちより興奮させ、行為を激しくさせた。

「やぁ/// あ、あっん!! 出ちゃうよ〜/// やだぁ!!!」なんてとろけそうな可愛い声がしたから、愛液のヌメリを利用して突起を擦るスピードを速めてやれば、尿道からピュッと透明な潮が数度に渡って吹き出した。俺の指とカーペットを盛大に濡らす潮。

俺以外は誰も知らない……セックス中の美奈子を知ってるのは俺だけだ。

どんなに舐め回すように見ようと他の男たちは知ることはない。恥ずかしそうに股を開く様も……俺に突っ込まれてアンアンと善がる声も……無意識に腰を振る艶めかしさも……潮を噴きやすいことも……俺だけが知ってればいい。そんな優越感と満足感の中、俺は美奈子の中に二度目の射精をした。

*
*
*

性欲を満たしても改めて勉強をする気にもなれないから諦めてシャワーを浴びてから、適当にキッチンからお茶やらお菓子を持ってきた。

「嵐くん……怒ってる?」
「なんで?」

シャワーを浴び終えて戻ってきた美奈子から見当違いな質問が飛んできたから、煎餅の袋を開ける手も思わず止まる。

「わたしがこういう服着てたから嫌で怒ったのかな……って。もしかしたら、もの凄〜く似合ってない……とか? 嵐くんが嫌なら、もう着ないから大丈夫!」

なにが大丈夫なんだよ……今更なのにスゲー罪悪感が押し寄せてきた。

「似合って、なくはない……」
「え、でも……」
「ただ、あんまり外で着てほしくねぇんだ……。危ないだろ。まわりの男にジロジロ見られてるって気付け」

そう言ったら美奈子は一瞬、ポカーンとした後に嬉しそうにクスクスと笑い出した。

「だから、着てもいいけど俺が一緒にいるときだけな」


END

〜あとがき〜

210000hitを踏まれました、かっしー様に捧げます。

お待たせしました!!

“腹黒”を意識してみたのですが、今話題の“モラハラ”と紙一重ではないかと気付いてドキドキしながら書きました。このあたりは書いてる私と呼んでくださる方の主観やら個人の感覚があるから難しいですね。
あくまで“腹黒”として読んでもらえると助かります。

お気に召して頂けたら幸いです。リクエストありがとうございました!

お持ち帰りはかっしー様のみでお願いします。

END

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