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表情(音羽)


二人分の重さに耐えるシングルベッドがギシギシと音を立てている。

わたしに覆い被さる慎之介さんの表情は普段の穏やかな笑みではなく、真剣な眼差しは心なしか泣きそうにさえ見えた。その濡れた瞳に映るわたしの表情も、また泣きそうに歪んでいる。



慎之介さんが腰を振る度に固いソレにわたしの気持ちいいところがピンポイントに刺激され、いよいよ目の端から涙が零れたのを感じた。それを見た慎之介さんの表情が少しだけ和らいで、口元に少しだけいつもの笑みが戻る。
見た目の柔らかさとは対照的な男らしい手が、涙の通った頬を撫でるとそれだけで、興奮状態のわたしの腰は大きく揺れた。

──美奈子は僕が挿れてると、それだけでずっと敏感になるよね──そんな風に言いながら繋がる箇所の少し上、プックリと膨れた敏感な陰核を僅かに撫でられれば、目の前がチカチカとしてあっさりと身体は絶頂を迎えそうにひくつく。

「あ……あ、ヤァ///」
「まだ、ダメ……」

陰核をクリクリと嬲るように弄っていた慎之介さんの指が離れた。

「イくなら一緒に行きたい。美奈子もイきたい?」
「……んっ……慎之介さ、ん……イかせて? 二人でいっぱい気持ち良くなろ?」

自分の口から紡がれたのはいかにも甘えた声と言葉。
慎之介さんは私の腰をガッシリと掴むと腰の動きを速めた。一番奥の一番感じる場所。そこをガツガツとえぐられる度に生まれる快感もまた、わたしを簡単に追い詰めた。

「もう、ダメ!! ハッ……い、イくっ///」
「いいよ/// 僕も出る……」

絶頂を迎えたわたしの胎内の締め付けに併せて、慎之介さんの腰と自身がビクリと震える。
わたしは慎之介さんに力いっぱい抱き締められながら、ゴム越しにジンワリとした熱いものを僅かに感じて目を閉じる。

イった余韻を楽しみながら、キツく抱き締めてくる慎之介さんの表情を覗けば、そこにあるのはいつもの穏やかな笑みだった。


END

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