帰り道の小さな決意 今日はデートだ♪ 美奈子とは駅で待ち合わせ。 今日は俺が早めに到着していたから、必然的に美奈子が遅刻。 ちょっと待っていると、少し離れた場所から俺を見つけたらしい美奈子が一瞬焦った顔になって、すぐ小走りに俺の方に向かってきた。 あぁ、可愛い…そんなに焦らなくても大丈夫なのに。 俺に怒られるとか考えちゃったのかな? ヤバい…ちょっと意地悪したくなってきた。 「琉夏くん! …ハァ、ハァ…ご、ごめんね? 待たせちゃって…ハァ、本当にごめん…」 頬をピンク色に上気させ、乱れた呼吸を整えながら必死に謝る美奈子を見ていたら…さっきまでの意地悪する気は消えちゃった。 「なんで謝るの? 俺、全然怒ってないよ。 わざと早く来たんだ。 美奈子を一人で待たせるのは危ないでしょ? 俺心配。だから、ほら、行こ」 美奈子の安心したような顔を見ていたら、俺まで安心してきた。 やっぱ、おまえ凄いよ。 ――――――― 一緒に水族館を見て回って、お昼ご飯を食べたら、次は待ち侘びてたイルカショーだ。 なるべく近くて、それでいてギリギリ水飛沫を浴びない位の位置を陣取り、ショーが始まれば美奈子と二人でイルカに大歓声を上げてはしゃいだ。 イルカも可愛いけど正直に言うと…美奈子のがもっと可愛い!! 本人に言ったら、きっとまた「もう!」って顔を赤くして怒るだろうな。 ――――――― 楽しい時間はあっと言う間で、もう朝に待ち合わせした駅にまで帰って来てしまった。 あとは美奈子の家まで送っていくだけ。 帰り道の話題は、ずっと今日の水族館のこと。 美奈子は「イルカでしょ、それにアシカにラッコ、あとカワウソが可愛かった!」と語り、加えて「ウツボは怖かった」と楽しそう。 よかった、美奈子楽しんでくれたみたい!! 本当は、もう少しだけワガママを言えるなら…美奈子と手を繋ぎたい。 何度か手を繋いでみようと試みたけど…ダメだ。 美奈子の手に触れそうになると自分から手を引っ込めちゃう。 俺、意気地無しだな… 結局、美奈子の家に無事到着。 しばらく、玄関前でも話して…今度こそバイバイ。 「琉夏くん、また明日ね」 「うん、また明日」 結局、また手は繋げなかったけど…美奈子が楽しそうだから、別にいいや。 今度はどこに誘おうかなぁ…。 それで次こそは手を繋ぐんだ。 END 〜あとがき〜 私自身、水族館が好きです。 最後のバンビの台詞「イルカ、アシカ、ラッコ、カワウソが可愛い」と「ウツボは怖い」は私の感情(笑) カワウソをペットとして飼いたいって本気で思います。 実際飼えるそうですね。 以前、カワウソを飼ってる家族がテレビで紹介されてました…羨ましい!! 里夏
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