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こんな技を覚えたよ!! @


〜ルカの場合〜

「やったね! ルカ!!」

「オマエのためなら俺、どんな奴もやっつけるよ?」

挑まれたバトルに勝利した私は、戦ってくれたルカを抱き上げクルクル回っていた。

その脇をすかさず、横切ったのはコウ。
賞金を二倍にさせる“おまもりこばん”を手に相手のトレーナーから賞金を徴収する彼の姿は人間の『カツアゲ』を彷彿させる。


勝利の喜びを分かち合ったルカを地面に下ろしてあげれば

「あっ、なんか俺、閃いたかも……」

ルカはそう言って、すぐそばにある草むらに走り出した。

「あ、ルカ!?」
「あのバカ、また勝手に……」

全員でルカを追って草むらに入ると、野生のヨタに近寄って行くルカを見つけた。

「なにするんだろう……」


「ねぇ、なんかちょうだい?」
「あぁっ!? んだ、テメー!?」
「持ってるものあるだろ? それ、俺にちょうだい?」
「ふざけっ……ぶべらっ!!」

いきなり、ヨタに殴りかかるルカ。

「「「「「「……!!??」」」」」」


「……なんだ、本当に持ってないんだ。残念」


「「「「「「…………」」」」」」


遠巻きにそれを見守る一行。

「ねぇ、あれは……ルカは何を閃いたの……?」
「うーん、一見ただのカツアゲに見えたけど、あれは『ほしがる』だね。ルカくんはさっきのバトルでレベルが上がって『ほしがる』を覚えたみたいだよ」
「はぁ!? コンノ、おまえも見てただろ!? あんなの、ただの“カツアゲ”だ! カ・ツ・ア・ゲ!!」

「……忘れさせたほうがいいのかな……」
「いや、あれは役に立つよ」
「お? わかってるじゃねーか、カイチョー」


※ほしがる…自分が道具を持ってない場合、相手から道具を奪える。相手が持ってない場合は通常攻撃になる。


************


〜コウの場合〜


「コウ、昨日“こわいかお”覚えたじゃん?」

飴を舐めながら歩くルカは唐突に自分の後ろを歩くコウを振り向き、そう切り出した。

「あ? まあな」
「でもさ、元から顔怖いのに“こわいかお”覚える必要あるの?」
「知らねーよ。メンドクセーなぁ。つか、前見て歩け。転ぶぞ」

コウが指摘するように、ケラケラ笑うルカは後ろ向きで器用に歩いていて危なっかしい。

「ルカ、危ないから前見て歩いてね」
「はーい」

ルカは前を向き直し、コウの隣に並んで歩き出した。

「怒られちった」
「オマエが悪いんだろうが」

コウが立ち止まって、ルカの頭をポカリと軽く叩く。
そんなコウに気付かず、後ろを歩いてたセイジはうっかりコウの背中にぶつかった。

「おまえら、しゃべってないで早く歩け。俺が転んだらどうするんだよ」
「あぁ!?」

―ビクッ!!―

「あ〜あ。コウが“こわいかお”したから、セイちゃんの歩くスピードが2段階落ちちゃった」
「今はなんもしてねぇよ」
「コウ、スゲー……技発動してないのに効果あるの? セイちゃん専用? でもさ、俺のが凄いよ? 俺はねアイツ限定でナチュラル“メロメロ”を……」
「前、見ろ」

ルカが転んだ。


※こわいかお…相手の『すばやさ』を2段階下げる。


〜2012年9月、10月の拍手文〜

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