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無防備ガールとピュアボーイ

「ニャ〜…ニャ〜」




授業も終わり、自分がマネージャーをしている柔道部の部室へと来た美奈子は微かに聞こえた猫の鳴き声に立ち止まる。


そして、キョロキョロあたりを見渡せば、程近い木の上部で細い枝にしがみつく子猫を発見つけたのだ。



降りられなくなっちゃったんだ…助けなきゃ!


「すぐ来るから、待っててね!!」



子猫に声を掛けて、美奈子は急いで部室に入ること数分、脚立を持って猫のいる木にやって来た。



………届かない。



少し離れた場所から見たために気付かなかったが、そんなに小さな木ではなかったようだ。

家庭用の小さな脚立では子猫のいる枝にはまだ届かない。


仕方ない…美奈子は脚立から足を木に伸ばし、木を登り始めた。



程なくして、部室へとやって来た不二山は目に飛び込んできた光景に唖然とした。



美奈子が木に足を掛け、登ろうと奮闘している。

何してんだアイツ?
頭の中に?が浮かぶ

しかし、美奈子の上に視線をやった時に不二山は美奈子の奇妙な行動の意味を理解した。


「あの猫を助けようとしてたんか…」


しかし、美奈子の背丈ではそれも難しいだろう。
木登りが上手いとも思えない。現に美奈子はさっきから全く上昇出来ていないのだ。

そんな美奈子の姿がおもしろく、しばらく眺めていた不二山だが…フリーズした。



…今、パンツ見えた。



次の瞬間、不二山は急いで美奈子に駆け寄り、木登りを止めるよう説得を始めたのだ。



「お前、なにやってるんだよ!!」
「あっ、不二山くん! あの子猫が降りられなくなっちゃったみたいだから、降ろしてあげようと思ったんだけど…」
「見りゃわかる。いいから変われ!
そういうのは男の仕事だろ。後は俺がやるから、お前は大人しく下にいろ。
それと…もう少しスカートの丈、伸ばせ。いいな」



数分後、不二山の頑張りにより子猫は地上へと生還した。


―――――――


(そういえば…不二山くん、なんでスカートのことで怒ってたんだろう?)

(美奈子のやつ、無防備すぎだろ。心臓に悪ぃよ、あんなん。ピンクのレースとか…って、なに思い出してるんだよ!!)





END




〜あとがき〜


「スカートがめくれそうになるとドキドキする」とかなんとか“ピュア発言”した嵐くんに、むしろ私がドキドキした。
彼は汚れてない! 私は汚れてる!!


里夏

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