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A先輩



〜火山with先輩組〜

ここ掘れ! 火山採掘ツアー!!



紺野経由で設楽からクエストに誘われた美奈子が集会浴場に赴くと、すでに設楽と紺野は待っていた。

「すみません、遅れちゃって!!」
「まったくだ」
「設楽」

悪態をつく設楽に注意をした後、紺野は美奈子と向き合い今日の予定を説明する。

「今日は設楽がいるから、上位の火山採掘ツアーにしようかと思うんだけど…」
「ちょっと待て! その言いだと、まるで俺が狩りが下手みたいだろ!? 俺は下手なんじゃない好きじゃないんだ!!」
「ハイハイ、わかったよ」

クエスト受注前に各々、用意したアイテムを持って三人は火山に向かった。

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「ウラガンキンは今エリア6か…あぁ、自動マーキングを発動させてるから、僕について来て。遭遇しないように移動しよう」

火山地帯の暑さは尋常でなく、立っているだけで体力を激しく消耗する。
三人はクーラードリンクを飲みながら、大型モンスターを避けて採掘場を目指した。

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貴重なアイテムが見つかることもあるエリア8には手癖が悪く、ハンターの持ち物を盗むメラルーがいる。だが、メラルー対策でマタタビを用意していたため、メラルーたちは嬉々としてマタタビを盗っていっただけですんだ。
盗まれたマタタビもキャンプ場への帰路にあるメラルーたちのガラクタ置き場を覗けば、納められているかもしれない…そうなら、それを持ち帰ればプラマイ0になる。


「おい、美奈子…それ、ボロのピッケルか?」
「そうですよ」
「そんな物、すぐ壊れて役にも立たないだろ。グレートピッケルを使えばいいのに…持ってないのか?」
「持ってますけど…もったいないし…」
「はぁ!? 使わない方がもったいないだろ!? 意味がわからない」
「設楽、個人の考えの押し付けは良くないよ。それに僕は美奈子さんの気持ちわかるなぁ…なんか、もったいないんだよね」


マタタビを盗り、用がなくなったメラルーがいなくなったエリア8で採掘を続けていたその時だった。突然の咆哮が響き渡ったのだ。


「「「…っ!!??」」」


声がした方を見ればエリア5と8を繋ぐ入り口に徘徊していたウラガンキンが立ち塞がっていた。

「しまった! みんなエリア8に逃げるよ!!」

慌ててピッケル類を手に持ったまま、三人は逃げ出した。
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「何が“僕について来て”だ!! バッチリ遭遇しちゃったじゃないか!?」
「ごめん、採掘に夢中になって確認するの忘れてたよ…ハァ。とりあえず、ここには入って来ないから、ここで採掘しようか」
「ここも、貴重品出ますもんね」


黙々と採掘を続ける三人を尻目に背後では間近で火山が噴火している。
設楽が噴火の度にビクっと体を反応させていた。

「先輩、もう何も出なくなりました」
「あ、そっちも? こっちも掘り尽くしたみたいなんだ。設楽、そっちは?」
「こっちも何も出なくなった。出てきた物もガラクタばかりだったから捨ててやった」
「じゃあ、このままエリア10に上がろうか」

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採掘を終えた三人がいるのはエリア10からエリア5に通じている崖の上。
エリア5を徘徊真っ最中のウラガンキンが別エリアに移動したのを見計らい、崖を下った。

エリア5の採掘場でも採掘し終わり、直にキャンプ場に戻れる“モドリ玉”を使用しようと思ったが、設楽がモドリ玉持ってきていなかったので三人は徒歩でキャンプ場へ急いだ。
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道中、メラルーたちのガラクタ置き場にて、マタタビも回収してきた三人はようやく安全なキャンプ場に帰還。

クエストを終了させ、納品アイテムと鑑定アイテムを分けていたその時だった。

疲れでグッタリしていた設楽が怪訝な顔でこちらを見ていた。

「おまえら、そんなものをご丁寧に持ち帰ってきたのか?」

設楽が指さしているのは…幾つか見つけたさびた塊。

「えっ…だって、僕たちはこれを見つけにきた訳だし…」
「こんな岩みたいな錆び付いた物をか?」
「…これは確かに錆び付いてるけど、中には磨くと凄くレアな武器が見つかったりするんだよ」
「……フーン。意味がわからないな」

設楽の様子が突然おかしくなった。
「先輩、どうかしたんですか?顔色が…」
「設楽…もしかして君が捨てたガラクタって…えぇっ!!??」
「…し、知らなかったんだよ!? こんな岩もどきが貴重品だなんて…仕方ないだろ!!」


*
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「今回はレア装備見つかりませんでしたね」
「設楽が捨てた中にあったかもしれないけどね…相当数捨てちゃったみたいだし…」
「いつまでも、ネチネチしつこいよな。おまえ…」




END


〜あとがき〜


パロディと言えど、先輩たちを戦わすのは私には難しかったのであえて完全に採掘ツアーを…。
先輩たちに限らず、戦いを文章にするのは難しいのですね。


里夏

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