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砂漠を越えて



辺り一面砂の海…。

トキメキ地方唯一の砂漠地帯、フリマ砂漠に辿り着いた。


小さめの砂漠だが、、砂漠である事に変わりはなく気後れしてしまう…。

ルカたちを砂から守るためにボールに戻そうとしたのだが…ボール嫌いの彼らは案の定、この案を拒否。ルカに至っては泣きマネをしている。

仕方ないので、手前の街で砂漠越えの用具と共に大きめのタオルを色違いで6枚購入して、マント代わりに6匹に被せる。

後ろから見ると、“歩くてるてる坊主の集団”のようで微笑ましい反面…不気味だ。

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砂漠に入り、一時間が過ぎた頃…早くもダウンしたセイジはコウの背中に背負われていた。

フラフラしていたセイジをボールに戻そうとしたら「誰がその手に乗るか」と相変わらずの憎まれ口で返された。
そんな訳で「メンドクセーけど幼なじみのよしみだ」と言いながらコウが背負ってくれている。

彼は無愛想そうだが、私に何かと気を遣ってくれる。
「ありがとう」と頭を撫でれば「おい、俺のポリシーが…いや、でも悪かねぇ」と言いながらそっぽを向く照れ屋さんだ。


今の所、元気なのはルカだけで、コウとセイジにちょっかいをかけて楽しそうにしている(反対に2匹はキレそうだけど)。

「俺、暑いの平気。寒いのは苦手だけどね…ほらドラゴン系は氷系に弱いじゃん。
だから冬になったら俺が凍え死んだりしないように抱きしめてね」

と、以前ルカが話してくれたのを思い出した。…本当に暑さに強いんだ。

アラシは砂漠越えを「いいトレーニングになるな」と張り切り、嫌がるニーナの手を取って砂漠へと走り出そうとしたので私とコンノで必死に止めることになった。

思いが通じ、どうにか私の荷物を少しだけ背負って重しにするだけのトレーニングに変更させることに成功した。
この一件で命の危機を感じたニーナはアラシから距離を置き“命の恩人”コンノの側で一緒に地図とコンパスと睨めっこしている。

あの子たちは頭がいい。
コンノはともかく、ニーナが賢い子だと知った時は私が驚き過ぎてニーナを傷付けた事は忘れられない。
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途中、何度か休憩を挟んだが予定より早く砂漠を越えることが出来た。
まだ、砂地が続く道を進めば突然舗装された道に変わり…次の街に着く。


砂漠越えした者への配慮かセンターは街の入口付近に建っていた。


時刻はすでに夕方だ。
宿泊施設も兼ねたセンターに行き、与えられた部屋に行く。

まだ、タオルを被ったままの彼らの砂だらけのタオルを外してあげれば…なぜか、何匹かの知らない子が混じっていた!!
違う…よく見れば濃い毛色のコウ、ニーナ、コンノが砂埃で白くなっていた。

その姿を見て、ゲタゲタと笑い出うルカ。
ルカが白いコウに殴られたのはその直後だった。

2匹ずつの3チームに別れて順番に風呂場に向かうポケメンたち。

最初に入り、わりと早く出てきたのは『コンノ&セイジ』チーム。
後の4匹のために早く済ませたのだろう…コンノの気遣いが感じられる。

『アラシ&ニーナ』チームは、なぜかアラシだけが入ってすぐに出てきた。あっと言う間に洗ったようだ。ニーナはしばらく出てこなかった。


『ルカ&コウ』チームは入った直後からキャーキャーはしゃぐルカの声とそれにキレるコウの怒声が引っ切り無しに聞こえてきた。
風呂場から聞こえる兄弟の声が耳障りらしいセイジがイライラする度にコンノに宥められていた。

しばらくすると、ルカが新しいタオルをマントの様に肩から掛けて走り出てきた。

しかし「ヒーロー参上!!」の決め台詞も虚しく、勢いをつけすぎたルカは壁に激突したのだ。

慌てて駆け寄れば「平気…不死、身のヒーローだから……うぅっ…」などと言いながら蹲るルカ。

「だから、大人しくしとけって言っただろーが。バカルカ」

蹲るルカの傍らに駆け寄ったコウが呆れた様な心配した様な表情で、やんちゃな弟を見下ろしていた。

ニーナは見てるだけで痛くなったのか、丸っこい手で顔を覆っている。

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最後に私がシャワーを浴びて出てくれば、ようやく揃って夕食の時間。

“砂漠越えと暑さで疲れた5匹”と“はしゃぎ過ぎで疲れた1匹”

6匹は夕食を食べてお腹がいっぱいになった途端に眠ってしまった。
大きめの一つのベッドで雑魚寝する6匹を見てたら私も眠くなってきた。

ふぁ〜あ…おやすみなさい。






END


〜あとがき〜

これは番外編と呼んでいいのか…本家BWで砂漠が登場したのでうちも!

久しぶり(と言っても数週間ですが)にポケメンたちを書いたのですが、微妙に書き方やキャラが変わってるかも(苦笑)

それと相変わらずルカ贔屓ですみません(^_^;)
やんちゃなルカは動かしやすい。
逆に大人しいコンノは動かし難い。


ちなみにポケメン6匹はまだ誰も進化してません。まだ可愛い彼らを書きたい!!


里夏

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