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セイジを仲間に加えた美奈子たちは研究所へと向かう。

「セイちゃん、頭フワフワ〜♪」

道中、セイジの癖のある毛を面白がったルカが必要にセイジの頭に手を伸ばしては怒られていた。
その度に「怒られちゃった」と言いながら、ルカは甘えてくる。

「美奈子、俺の毛サラサラでしょ? 触っていいよ?」

と擦り寄るルカを触ってやれば

「あっ、感じちゃった…」

と、はしゃぐルカ。
もちろんコウからお決まりの「バカルカ!」が飛び出す。


他の皆も好き勝手しながらも私に着いてきている。

すると、ニーナが私に近付いてきた。
しかし、なぜかルカがニーナに飛び蹴りを喰らわそうとしたため慌てて避けたニーナはアラシの後ろに引き返してしまった。



「ところでコンノ…この集団は一体なんの目的があって組織されているんだ?」
「ルカくんたちの話によれば、トレーナーとして旅立つ美奈子さんを守るのが目的みたいだよ。
僕もよくわからないんだけどね…博士の研究所に行くって言うから同行したんだ」
「よく、意図もわからない一団に着いていく気になったな!? 能天気すぎるだろ!」
「案外、楽しいものだよ。博士に会った後も、出来れば美奈子さんの旅に同行したいなぁ」





「アラシさん、その木の実って、もしかしなくても…」
「ルカたちが取ってきたやつ。お前も食うか?」
「…い…いい!! 俺は遠慮します!
あの兄弟に怒られるなんてマジ勘弁だし…。つーか、ルカさんばっかり美奈子ちゃん独り占めして狡くないですか?
さっきだって、美奈子ちゃんに近付いただけで妨害してきたし…」
「そうか?」
「そういえば、アラシさんは美奈子ちゃんに膝枕してもらってましたもんね…ハァー…」





「ねぇ、美奈子。俺と二人だけで旅しよ?最初はそうだったじゃん。コウが邪魔したから…」
「誰が邪魔したよ? てめぇがまた馬鹿やらかさねーか見張ってんだよ」
「あんなこと言って、コウも美奈子と一緒に居たいんだ…ムッツリ」
「あぁ!? っな訳ねーだろ!?」

「コウ、声が裏返ってるよ?」
「たまたまだ!!」


騒がしい6匹…。



オーサコ研究所に着く頃には日が傾きだしていた。
ハバタキタウンを旅立って…ようやく!!

研究所のチャイムを鳴らせば、オーサコ博士が勢いよく出て来た。「おっ! よく来たな!!」

*
*
*


「あの人がオーサコ博士?」
「そうだよ」
「ちっちゃいね。オーサコちゃんって感じ?」
「おめぇのが小せーだろうが」

「はははっ!! たしかになりは小さいが大迫力だぞ?」


ルカの失言を気にするでもなくオーサコ博士は話を続ける。

「うん、よく来たな美奈子!! トレーナーとしての旅立ち…それは、まさに青春だぁ!!
じゃあ、早速お前の青春のパートナーを選んでくれ!!」


初心者用のモンスターが目の前のボールに入っている。

◆ノーベノレポケメンの『アイザワ』

◆ヘイボンポケメンの『タイラー』

◆ヤキューポケメンの『タイヨウ』


どうしよう、最初のパートナーだし…。
みんな、それぞれに魅力があって悩んじゃう…!!

そんな、悩める美奈子の近くでルカたちは自由行動をし始めていた。コンノは博士に挨拶をした後に研究所を見て回っていた。
後ろをついて来るセイジに色々と説明していたが、セイジは暇そうにあくびをしており、おそらくコンノの話を聞いてはいないのだろう。


アラシは研究所のソファに座るとすぐに眠り始めた。
しばらく、研究所内をウロウロしていたニーナも追い掛けっこと言う特訓で疲れたのか…気付けばアラシと一緒に寝ていた。

ルカとコウは研究所にある不思議な機械に手を出して遊ぼうとした罪でオーサコ博士に捕まった。

「コラァ! 元気なのは大変宜しいが、悪さはダメだぞ?」
「いてててっ!! 耳! 耳っ!!」
「耳引っ張んじゃねーよ!!」

その頃、背後の騒ぎにも気付かず、美奈子はまだ集中して選んでいた。


「アイザワは強いけど、扱いが大変そうだし…」
「タイラーは平均的だけど突出した面がないんだよねぇ…」
「タイヨウは断然可愛いんだけど、大器晩成だから最初は使えないらしいし…」


*
*
*



どうにか、ルカとコウを大人しくさせたオーサコ博士は悩みつづける美奈子に「一つに絞れず悩む…それも青春だ」と声をかける。

そこで、ようやくオーサコはある事に気がついた。


「美奈子…お前にそいつらは必要ないんじゃないか?」
「えっ?」
「お前には…頼もしいパートナーが6匹もいるじゃないか! 問題児のこいつらをこんなにも、手なずけるとは…感心したぞー! さっさと旅立ってこい!!」

たしかに彼らと離れるのは寂しい。
でも…初心者用も欲しいんですけど!?

言いたくても、言えない私の前から、初心者用モンスターたちは博士の手により片付けられた。

ボールを置いてきた博士は代わりに空のボールを6つ、私に手渡す。

「とりあえず、まだこいつらは野生状態だから、ゲットしてやれ!」

6匹が私の目の前に整列させられていた。

*
*
*


その日は研究所に泊まらせて貰った私たち。

夜…食べ物を盗み食いしようとしたルカとコウが、また博士に見つかり耳引っ張りの刑に処されていた。



〜翌日〜

「信頼できる仲間との旅…それが青春だ!」

こうして…青春を連呼するオーサコ博士に見送られ、私と個性豊かな6匹との旅は始ったのだ。






〜エピローグ〜


オーサコ研究所を旅立ったあと…私の行く手には様々な障害が待ち受けていた。


…6匹は誰もボールに入りたがらず、ボールに戻しても勝手に出て来てしまう。
そのため、美奈子は度々、ジュンサーさん並びに警察関係者に注意されることになった。

…更に6匹は日が経つにつれ、美奈子に懐きまくり、美奈子が新たなモンスターをゲットしようとする度にそれを全力で阻止。

おかげで仲間は一人も増えなかった。

また、彼らは私が指示を出さずとも自分の意思でバトルをしまくり(主にルカとコウとアラシ)、作戦を考え(主にコンノ)、順調にジム戦を突破…ついにチャンピオンにまで勝ってしまった。


私、トレーナーと言うかこの子たちの保護者なんじゃあ…。





END


〜あとがき(謝罪)〜

思った以上に長くなった割には大したオチがないとか…ごめんなさい!!

大迫先生のキャラも多分間違ってる(汗)
実は未クリアだから「青春」連呼して兄弟の耳引っ張ってるイメージしかないんだよ!!


と、いうわけで『ポケメンGS3』は一応最終回です。

このあとも続けたら、6匹の進化形態、各町や村、ジムリーダー&四天王、悪の組織、重要人物などなど…様々な事をパロって捏造しないといけなくなるので、さすがに無理(苦笑)


ですが私自身、結構ポケメンたちに愛着があるので、今後番外編の短編みたいな形で再登場するかもしれません。

その時はまた、彼らを可愛がってあげて下さいね♪


里夏

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