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買い物を終えて、公園に戻ればどこからともなくソースのいい匂いが漂ってきた。
匂いを辿れば、タコ焼きの屋台。
そういえば、ポケメンたちとの連続した出会いで忘れていたが…お腹が空いた。

まだ、誰も戻って来てないし…買っちゃお!!

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タコ焼きを買って先程のベンチに戻れば端にフワフワした毛並みの小さな子が座っていた。
他のベンチが空いてなかったので距離を開けて反対側に腰掛ける。

いただきまーす!!

「…おい。その安いソースの匂いばかりする食べ物は、あれか? …そんな物、よく食うな?」

ベンチの端に座っていた子が私を見ながら、少し離れたタコ焼き屋を指差していた。
反応に困っていると彼は続ける。

「お前がそれを食べているのが気になって、集中出来ないんだ」

理不尽な物言いに「すみません」と謝り、食べはじめれば…彼はまだこちらを見ていた。
そんなに嫌なのだろうか…申し訳なくなった私は席を立つ。


「…おい、どこに行くんだ!?」
「えっ、だって嫌みたいだから…」
「誰も嫌だとは言ってないだろう!? …あぁ、もう!!」

「それは…美味いのか?」
「美味しいですよ? 食べます?」

タコ焼きに興味があるらしい彼にそう返せば、目が輝き出した。

小さな、ツンデレポケメン『セイジ』の威圧的な態度に自然と美奈子も敬語になる。
タメ口を利いたら、「お前は礼儀も知らないのか?」とかなんとか理不尽な事を半笑いで言われそうだ。

「…俺はいい…。いや、たまには人間の食べものがどのようなものか試してみるか…その不気味に揺れ動く“木の屑”の正体も気になるしな…」

言い訳らしき事をブツブツ言いながら、結局はタコ焼きを食べたいらしいセイジに、タコ焼きを刺した爪楊枝を差し出す。

生意気な口を利く姿は頂けないが、ジッとタコ焼きを見つめる姿は案外可愛いものがある。

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「思った通り、ソースの味ばかりだったが…まぁ、悪くはないんじゃないか?」


「あっ、セイちゃんだ!!」
「よぉ、セイちゃん」

ビクッ!!

両手に木の実を抱えて帰ってきた兄弟に声をかけられセイジは固まる。
抱えた木の実をベンチに置くと、ルカが嬉しそうに膝に乗ってきた。

「つーか、なんで美奈子とセイちゃんが一緒にいんだ?」

コウがぶっきらぼうに尋ねれば…

「俺がどこで誰と何してようと、お前たちには関係ないだろう」

すかさずに言い返すセイジ。
この子、誰にでもこういう態度なんだなぁ…。私だけが嫌われてるのかと思った。

不毛なやり取りをする2匹を眺めているとアラシとヘロヘロのニーナ、そしてコンノも帰ってきた。


「なんだ、もう帰ってたんか」
「あぁ!! ルカさんズリィ! 俺だって美奈子ちゃんに…」

「ただいま、美奈子さん。あれ…君も来てたんだ」
「コンノ…おまえもいたのか?」

意外な交友関係に思わず「友達なんですか?」と尋ねれば

「うん、まぁね」
「別に友達じゃない。お前もくだらない事を聞くな!」
「女の子にそういう言い方はよくないよ」

コンノとセイジ…なんだか、親子みたいなやり取りするな…(笑)


「ルカさん、どいて下さいよぉ!! ルカさんばっかりズリィし!!」
「いやだ」


「コウ、おまえも柔道やればいいのに。もったいねぇ」
「やんねーよ」


「とにかく俺は帰る。こんな所でいつまでも不良に絡まれてるのも気分が悪い!!
それに…おばさんにお前たちが“人間の女に迷惑を掛けている”という事実を伝える用事が出来たしな」

そう不敵な笑顔でルカとコウを見遣るとセイジは帰り支度を始める。

もちろん、ルカとコウが黙ってはいない。

ルカがニコニコしながら、「セ〜イちゃん♪」とセイジに近付ば…コウはとっさにセイジの肩に腕を回して何やらニヤニヤしながら何か囁く。

セイジは包囲された。

*
*
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「と、言う訳でセイちゃんも一緒に行く事になったよ♪」
「よろしくなぁ、セイちゃん」


不良にサイドを挟まれたセイジが力無く俯いていた。

何があったんだろう…。





To Be Continued


〜あとがき〜

連載まさかの4話目です。(元は3話完結)

グダグダ感がより極まった感じで、これをUPしていいものか悩みましたが…UPしてみました。

次回、完結になります。
読んで下さってる、心の広いバンビたちは最後の最後まで心を広くして読んで下さい…つまり、期待しないで下さいね(苦笑)


里夏

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